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【神奈川】

認知症の「99歳母」穏やかな日常映す 藤沢で谷光さん、介護の1年間を記録

自宅の前で、映画のチラシを手にほほ笑む谷光さん(右)と千江子さん=藤沢市で

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 認知症の母を介護した日々を記録したドキュメンタリー映画「99歳母と暮らせば」(二〇一八年、九十二分)が、横浜市中区の横浜シネマリンで上映されている。介護した当事者で、監督の谷光章(あきら)さん(73)は「認知症や介護と聞くと『大変』『しんどい』といったイメージがあるが、日々を楽しく過ごすこともできるんだと感じてもらえれば」と語る。 (鈴木弘人)

 ドキュメンタリー映画などを手掛けてきた谷光さんは五年ほど前、藤沢市の実家で一人暮らしをしていた母千江子さん(百一歳)に認知症の症状があると近くに住む兄夫婦から聞いた。何度も同じことを尋ねたりしてうまくコミュニケーションが取れておらず、「おちゃめで明るい母の日常が不快なものになってしまっている」と感じた。

 ちょうど仕事が一段落した時期で、映像の編集などは家でできることもあり、一緒に暮らして介護する覚悟を決めた。川崎市宮前区の自宅から実家に戻り、一七年の一年間、白寿を迎えた母との生活を自ら追って作品にまとめた。

 「あ〜痛い。腰もんで」。作中では、ベッドに横たわる千江子さんの頼みに谷光さんが「痛いの痛いの飛んで行け」と言いながら腰をもむ。昼食を食べたことを忘れたり、ベッドの下で寝てしまったりする千江子さんに「頼んますよ」と優しく注意する。町内会で得意のハーモニカを披露して照れながら笑顔を見せ、公園で桜を見て涙をぬぐう千江子さんの天真らんまんな姿など、穏やかな日常を映している。

 苦労も絶えない。排せつ物を便器の外に付けてしまい、ベッドの上で用を足すこともしばしば。それでも谷光さんは「老いが進み、認知症の母でも皿洗いや裁縫はできる。できないことに目を向けるのではなく、できることを褒めてあげる。介護する側もされる側も幸せに暮らす姿を見てほしい」と強調した。

 料金は一般千八百円、六十歳以上・学生千百円、高校生以下八百円。上映は十九日までの午前十時から。問い合わせは横浜シネマリン=電045(341)3180=へ。

 

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