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【神奈川】

<参院選>4議席目争い 無党派層獲得の舞台裏

街頭で有権者にビラを配る松沢さん=いずれも横浜市西区で

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 二十一日に投開票された参院選の神奈川選挙区は、序盤から四議席目争いに注目が集まった。維新現職の松沢成文さん(61)が守るか、共産新人の浅賀由香さん(39)が奪うか−。その一方、主要野党の一角を占める国民民主は、両者の攻防の中に埋没した。それぞれの舞台裏に迫った。 (加藤益丈、志村彰太)

 「前知事の松沢です」。選挙戦序盤の九日夜、松沢さんは横浜駅西口で党幹部を迎えた演説を終えると駅東口に向かい、ビラを配り始めた。関東での維新の知名度は低く、「無党派層の支持で共産を圧倒する」(陣営幹部)のが狙い。一日数千枚配った日もあった。

 共産と四位を争っているとの報道がたびたび流れたことも追い風になったという。別の陣営幹部は「『共産に議席を奪われてはいけない』という危機感が、保守的な無党派層に広まった」と振り返る。

 無党派層の取り込みを狙ったのは浅賀さんも同じ。選挙前から子育て世代の女性とミニ集会を繰り返した。公示後は、支援者の女性が黒ジャケットに眼鏡をかけて浅賀さんと同じ格好をする「コスプレ宣伝」など、幅広く有権者に訴える工夫をした。

 ただ、運動の軸は党幹部を招いての演説会で、聴衆は従来の党支持者が中心。浮動票の行方が当落の鍵と考えた支援者の市民有志が「通行人に向かって訴えかけなければ」との思いから、内部固めを重視する党スタッフに詰め寄る場面もあった。

 選挙戦終盤の十九日、市民有志は「無党派層に支持が広がっていない」と危機感を抱き、れいわ新選組の山本太郎代表ら応援弁士を招いたが、劣勢をひっくり返すには至らなかった。

 国民は公示前、玉木雄一郎代表が戦国武将に扮(ふん)したCMを流し、代表の顔写真をラッピングした宣伝トラックを走らせた。新人乃木涼介さん(54)の活動も、政見放送の収録にドローンを使い、街頭活動に党のキャラクター「こくみんうさぎ」の着ぐるみを登場させるなど、費用を惜しまず知名度向上を目指した。

 しかし、俳優の洗練されたイメージを押し出したい乃木さんと、「新人らしいどぶ板選挙」を主張する陣営の間に溝があり、戦略は実を結ばなかった。獲得を狙う有権者の層がぼやけ、惨敗を喫した。

 神奈川大の大川千寿(ちひろ)准教授(政治過程論)は「松沢さんは、あまり政党名を出さずに個人として勝負し、有権者の支持を得やすかった。国民は同じ旧民主の立憲民主と差別化ができず、有権者は勢力のある立民に流れたのではないか」と指摘した。

山本太郎さん(右端)を招き、多くの聴衆が集まった浅賀さんの街頭演説

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