東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 神奈川 > 記事一覧 > 7月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【神奈川】

やまゆり園事件3年 共生社会真剣に考える時 地元住民らが犠牲者しのぶ会 

黙とうをして犠牲者を悼む参加者=相模原市緑区で

写真

 相模原市緑区の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者十九人が殺害された事件から三年となった二十六日、地元住民らでつくる「共に生きる社会を考える会」が施設近くの千木良公民館で犠牲者をしのぶ会を開いた。風化を防ぐのが狙い。 (曽田晋太郎)

 五十五人が参加し、黙とうをして追悼。会の宮崎昭子共同代表(82)は「事件を再び起こさないため、誰もが当たり前に生きられる社会の実現を一人一人が真剣に考えていく時ではないか」と呼び掛けた。

 入倉かおる園長(62)も来場し、「再びこの地で多くの笑顔が取り戻せるよう、地域の皆さんに見守ってもらいたい」とあいさつ。続いて、地方自治に詳しい元東京都日野市職員の池上洋通(ひろみち)さん(77)が講演し、「共生社会の実現は国民全体が本気で考えないと解決できないテーマだ」と述べた。

 終了後、元園職員で考える会の太田顕共同代表(76)は取材に「ただ事件を忘れてはならないではなく、地域として、園とどう向き合っていくか考える必要がある」と語った。息子(37)が重度の知的障害者という女性(67)=東京都町田市=は「障害者に対する理解が遅々として進まない現状がある。なぜ元園職員がこのような犯行に及んだのかの検証も不十分」と指摘した。

 考える会は二〇一七年三月に発足。犠牲者の月命日に園を訪れ献花するほか、語り部活動などをしている。この日もしのぶ会に先立ち、メンバー十人が園に設けられた献花台に花を手向けた。

◆実現に向け公演続々 県、15の企画を予定

「21番目の素敵な出逢い」の一場面(神奈川芸術文化財団提供)

写真

 県は八月四日から、障害者らが出演する公演などを相次いで開催する。ダウン症や知的障害のある人たちによる演劇を皮切りに、年度末まで十五の企画を予定している。

 障害者や高齢者など社会的弱者に発表の場を設け、自信と前向きな姿勢を持ってもらうのが主な狙い。鑑賞者の理解促進につながり、互いに尊重し合う共生社会の実現と、心身の健康を保つ未病改善に役立つとも考えている。

 八月四日は、知的・発達障害の人を対象に音楽や工作の教室を開いているNPO法人「ドリームエナジープロジェクト」が公演。ダウン症の人がソーラン節と楽器演奏を披露した後、創作劇「21番目の素敵(すてき)な出逢(であ)い」を演じる。劇名はダウン症の原因である二十一番目の染色体にちなむ。母親の胎内から、生まれるまでを物語にし、命の尊さをテーマにしている。

 十一月二十八日は、聴覚障害者らでつくる人形劇団「デフ・パペットシアター・ひとみ」の公演、来年二月には国内外で活動するパントマイム団体「シルヴプレ」による障害者向けの教室がある。横須賀、綾瀬両市では、高齢者を公募してそれぞれ劇団を結成。来年二〜三月に発表会を開く。引きこもりの人が出演する演劇なども実施される。

 八月四日の公演は、県民共済みらいホール(横浜市中区)で午後一時と四時から。入場料は一般三千円、中学生以下二千円。購入はチケットかながわ=電0570(015)415=へ。事業の詳細は「共生共創事業」のホームページで。 (志村彰太)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報