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【神奈川】

<かながわ工場探訪 夏休み!>クッキーづくり体験 ちぼり湯河原スイーツファクトリー

2階のミニ工場見学コーナー=いずれも湯河原町で

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 自動ドアが開くと、クッキーの甘い香りが迫り、鼻をくすぐる。中に入ると、カラフルな菓子やデザートも目に飛び込んできた。

 湯河原町に二年前にオープンした「ちぼり湯河原スイーツファクトリー」。焼き菓子メーカー「ちぼり」が四階建て社屋の一、二階に設けた直営店だ。

 木とガラスをふんだんに使った店内の一角に、三歳から挑戦できるクッキーづくり体験コーナーがある。ガラス越しに一般客がうらやましそうに見つめ、公開アトリエのよう。エプロンと帽子を身に着ければ、四枚のクッキーに思い思いに模様を描くことができる。

 使うのは、イチゴやレモンなど好きな味のクリームを絞り出せるペン型の調理器具。「上の方を持ってぎゅっと押してください」と担当者からコツを聞いた人は、集中し、慎重に指先を動かす。描き終わると「できた」と歓声を上げて顔をほころばせるのは大人も子どもも同じ。最後にオーブンで五〜十分焼けば、オリジナルクッキーの完成だ。

 厚木市から家族で来ていた小学校三年中井香綾(かりん)ちゃん(8つ)は「絵を描くのは難しかったけどプロに教わりうれしい」とにっこり。スタッフの星えみなさん(20)は「作る楽しさも味わってほしい。世界で一つのクッキーを皆さん大切に持ち帰ります」と話す。

クッキーに模様を描く子どもたち

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 菓子作りのきっかけは、創業者の故・樋口泉さんの幼少期にさかのぼる。

 両親が他界し、祖母宅に預けられていた樋口さん。一人で泣いていると、同じ年頃の近所の農家の娘たちが「元気おだし」「遊ぼう」と優しく励ましてくれたという。

 娘たちは奉公に出て離れ離れになったが「いつか、大きくなったらおいしいお菓子をおなかいっぱい食べてみたい」という娘たちの会話を忘れなかった。終戦翌年の一九四六年に起業。「おいしいお菓子でみんなのしあわせを創(つく)ります」を社是に掲げた。

 最適な原料を世界中から探すこだわりで、ちぼりは贈答用詰め合わせクッキーの国内最大手に成長した。「赤い帽子」をはじめとする主要ブランドはすべて、国際的な賞を受賞している。

 二階はクッキーの生産工程や各材料の紹介パネル、調理器具などを展示。見学用の窓から、職人が手作業で菓子を作る様子や、ロボットによる出荷作業を見ることができる。

 遠い昔、創業者と遊んだ少女たちの願いに応えるかのように、一階カフェには各種クッキー食べ放題のバイキングメニュー(六十分、税別五百五十円、ワンドリンク付き)もある。 (西岡聖雄)

<ちぼり湯河原スイーツファクトリー> 2017年11月、ちぼり本社兼工場の建て替えに伴い、併設した直営店。30日までお絵かきクッキーコース(900円、45分)を1日2回行う。実施しない日もあり、前日までに要予約。9月から上級のマイスターコースを再開する。JR湯河原駅から徒歩3分。問い合わせは=電0465(63)0404=へ。

 ◆海や山、温泉、レジャー施設など県内は観光資源が豊富にあるが、実は見学できる工場も数多い。せっかくの夏休み。気になる「あの商品」がどんなふうに作られているか見に行きませんか?一足先に訪ねた記者が紹介します。(随時掲載)

 

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