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【神奈川】

<かながわ工場探訪 夏休み!>板に付いた「職人技」 かまぼこ博物館(小田原市)

「手付け包丁」を使い、かまぼこ作りを体験する子どもたち=いずれも小田原市で

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 「手付け包丁」と呼ばれる細長いへらを素早く動かし、山積みの白身魚のすり身を少しだけすくい上げ、小さな木の板に盛りつける。最後にへらでドーム形に仕上げるとあっという間に、かまぼこの出来上がり。手際のいい「職人技」をガラス越しに見ていた家族連れは「すごいね」「早いね」と驚きの声を上げた。

 ここは、小田原市のかまぼこの老舗「かまぼこ鈴廣(すずひろ)」が、かまぼこの歴史やおいしさの秘訣(ひけつ)を知ってもらおうと本店横に建てた「かまぼこ博物館」。一九九六年にオープンし、二〇一六年にリニューアルした。

 鈴廣も今では大半の製品を機械で製造している。しかし、高級品や、味や色の違う複数の原材料を使う創作かまぼこは、創業した百五十四年前と変わらず職人が手作りしている。その仕事ぶりを間近で見られるほか、かまぼこやちくわを作る体験(有料)ができるのも人気だ。館内の展示によると、かまぼこが昔の文献に登場するのは、今から九百年以上前の一一一五年にさかのぼることができるという。

 漁場と水に恵まれた小田原でも、かまぼこが製造されるようになり、宿場町として栄えた江戸時代には全国から訪れた大名が小田原のかまぼこを絶賛した。ドーム形で紅白のかまぼこは「小田原かまぼこ」といつしか呼ばれるようになったという。

 「かまぼこは魚だけでなく水も大切。鉄分が少なくカルシウムやマグネシウムを適度に含む小田原の地下水があるから、おいしいかまぼこができるんです」。広報の奥村真貴子さんは、かまぼこと小田原の相性の良さを力説する。

 魚肉をすりつぶすのに使う石臼やきねに触ったり、ポンプを使って地下水をくんだりする体験を通じ、かまぼこの製造過程を学ぶこともできる。笹(ささ)かま(仙台)や焼きちくわ(豊橋)など全国の特色あるかまぼこを紹介するコーナーもある。

 「かまぼこに職人さんがいるなんて知らなかった」と話すのは海老名市の小学四年、降矢蕾翔(らいと)くん(9つ)。夏休みの自由研究でかまぼこをテーマにした新聞を作ろうと来館した。「どんな魚からかまぼこが作られるのかを新聞で紹介したい」と、展示を熱心に見入っていた。母の恵美さん(34)は「かまぼこが小田原で作られてる理由など知らないことが多かった。大人でも楽しめる」と夢中になっていた。 (鈴木弘人)

<かまぼこ博物館> 工場見学コーナーは水曜定休。入館無料だが、かまぼこ・ちくわ作り体験は1500円(水曜は休み)、あげかまぼこ作りは1000円、ちくわ作り(水曜のみ)は500円。8月下旬は空きがある。年末年始は休館。箱根登山鉄道風祭駅から徒歩1分。予約は同館=電0465(24)6262=へ。ホームページでも受け付ける。

創作かまぼこを手作りする職人の仕事を間近で見ることができる

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