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【神奈川】

<かながわ未来人>スポーツ観戦 一体感を フェースペイントアーティスト・深井仁美さん(50)

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 顔や体に絵を描くフェースペイントやボディーペイントのアーティストの国内の先駆者。NPO法人「日本フェイスペイント協会」の代表理事として普及や技能向上に尽力するほか、若手アーティストらをイベントなどに派遣する「デコデコ」(横浜市金沢区)を経営している。

 顔に花や動物などの絵を描くペイントは、欧米ではカーニバルや移動遊園地などで子どもたちに古くからおなじみ。二十年前の日本では、フェースペイントはほとんど知られておらず、出合いは偶然だった。

 米ニューヨークでネイルアートを学び、ネイリストとして活動していた一九九九年、横浜市中区で開かれる「野毛大道芸」に、来日できなくなったアーティストの代役として出演を頼まれた。海外から急きょ絵の具を取り寄せ、来場者の顔にネコやチョウなどを描いた。「描き終わって、鏡で作品を見た人が『ありがとう』とすごく喜んでくれるのがうれしかった。その日のうちに、この道で食べていこうと決心した」

 ただ、テーマパークや市民祭りなどのイベントに、呼ばれるようになっても、なかなかお金にはならない。「事業として成り立たせるのは大変だった」と振り返る。

 転機は、二〇〇二年に横浜市で決勝が開かれたサッカーワールドカップ(W杯)日韓大会。企業などと組んで、国内の全会場を回り、約五万人に国旗などを描く無料のフェースペイントを実施した。その後のW杯では、顔に日の丸を描いたサポーターの姿は、おなじみの光景となった。

 〇七年に米フロリダ州で開かれた「フェース&ボディーアート」の世界大会に日本人として初めて出場し、桜の花びらが散る和風のデザインで優勝した。大手企業のCMでモデルの背中に商品をボディーペイントで描くなど、その後も業界をけん引し続けてきた。

 今年九月にはラグビーW杯、来年には東京五輪・パラリンピックと、〇二年のサッカーW杯以来のスポーツのビッグイベントを控える。「スポーツの場面では、気分も高揚するし、一体感も生まれる。ペイントは、老若男女、うまい下手関係なく楽しめる、言葉の要らないコミュニケーションツール。もっといろんな場面に広がるきっかけになれば」と期待を込めた。 (土屋晴康)

<「デコデコ」> 野毛大道芸に妹と参加した際のユニット名を社名にした。「デコレーション(装飾)」「デコラティブ(装飾的)」からとった。アーティスト30人以上を全国の行政や自治体のイベントなどに派遣している。電話での問い合わせは045(782)8409へ。

 

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