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【神奈川】

台風15号の被害 続く停電「熱中症が心配」

福祉文化会館に設けられた避難所に身を寄せる住民ら=葉山町で

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 台風15号による停電が、市民の暮らしに影を落としている。県内に大きな被害をもたらした九日から一夜明けた十日も完全復旧に至らず、二日続けて休校を余儀なくされた学校もあった。三〇度を上回る暑さにより熱中症の懸念も広がった。 (北爪三記)

 葉山町では十日朝の時点で、町の全世帯数の二割近い二千五百軒で停電が続いた。長柄小学校と南郷中学校は学校施設が停電しているため、九日に続き、十日も休校した。

 台風一過で気温が上がった九日、町は暑さ対策のため、午後七時から福祉文化会館や図書館など四カ所に避難所を設置。住民十四人が身を寄せた。

 十日は朝から福祉文化会館に避難所を設けた。家族の勧めで来たという根岸敦子さん(86)は「昨日はうちわを使って我慢したけど、きょうは最高気温が三五度予想だったから、熱中症が心配で」と話す。近所の女性(83)も「家にいても何もできないし、一人暮らしだから不安」とこぼす。

 仕事が休みで避難所に身を寄せた男性会社員(52)は「昨日は暑くて眠れなかった。東日本大震災以降、水や食料などを備えているが、電気だけは保存できない」と嘆き、「今夜は横浜市内の会社近くにあるビジネスホテルに泊まるつもり」と話した。

 町内には停電のため給水タンクに水を満たせず、断水しているマンションもあり、町は県企業庁と協力して給水も行った。根岸さんは「復旧がいつかいつかと待っているのはつらい。見通しの情報がほしい」と求める。

 鎌倉市は十日午後四時の時点で七千二百軒が停電したまま。複数の電柱が倒れたり、土砂が崩れたりした同市玉縄の市道では作業員らが復旧作業を進めた。

復旧作業が進む玉縄の市道=鎌倉市で

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◆倒木阻み復旧作業難航 県、18年ぶり自衛隊派遣要請

 東京電力パワーグリッドによると、十日午後六時現在の県内の停電は一万八千軒。前日より減ったが、倒木や狭い道の土砂崩れなど断線場所にたどり着くのが困難なケースが多く、作業は難航しているという。

 県は同日、停電の復旧を妨げている鎌倉市二階堂地区の倒木について、市や電力会社では対応が難しいとして、自衛隊に災害派遣要請をした。県による同要請は十八年ぶり。自衛隊は十一日に倒木の撤去作業に取り掛かる。東京電力パワーグリッドは「断線した場所にたどり着く別のルートを探し、倒木の撤去完了前に復旧したい」としている。

 停電の長期化で住民の体調悪化が懸念されることから、横須賀市や鎌倉市などは、停電した地区の自治会館やコミュニティーセンターなどを開放し、涼みに来るよう呼び掛けている。

 また、県は、建物被害が四百四十三棟に増えたと発表した。内訳は一部損壊が四百十一棟、床上浸水が十二棟。当初は半壊を四軒としていたが、このうち三軒は一部損壊だったとし、半壊は一軒となった。

 崖崩れは三十四件、ブロック塀の倒壊は二十六件で、いずれも横浜市で発生した。 (志村彰太)

 

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