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【神奈川】

<記者だより>カジノタウンの記憶

 三月まで三年間、休職してアメリカ東海岸で暮らしていた。同業の夫が特派員として赴任し、家族で同行したためだ。

 帰国し、八月から横浜勤務となった今、アトランティックシティーの景色をよく思い出す。東海岸最大級のカジノがある観光都市。冬場に息子のフットサル大会が開かれ、二年続けて四日ずつ滞在した。カジノには行かなかったが、チームで連日食事に出た。ビーチで大西洋を眺め、アウトレットモールものぞいた。

 街に活気はあったか。答えはノーだ。四十年ほど前にカジノを導入して栄えたが、近隣州でもカジノが合法化され、集客力を失った。派手な造作の建物が並び、ネオンが光っても、人々の息遣いに欠けていた。街が立ち止まっていると感じた。チームとの思い出に胸が熱くなるほど、鈍色の空の下、殺伐とした景色は冷え冷えとよみがえる。

 街は長く残るものだ。折々にどんな選択をして未来に手渡すのか。悩みながら、横浜市のカジノIR誘致をめぐる取材を続ける日々だ。 (杉戸祐子)

 

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