東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 神奈川 > 記事一覧 > 9月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【神奈川】

<ラグビーW杯>事前練習 支えたグラウンドキーパー ”緑”の下の力持ち

グラウンドキーパーの仕事や芝の状態を説明する鈴木社長=小田原市で

写真

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の事前キャンプのため、小田原市を訪れたオーストラリア代表、ワラビーズ。前大会は準優勝の強豪だが、大会で実力を発揮できるかは直前の調整が物を言う。最高の状態で本番に臨んでもらおうと、陰から選手を支える人がいた。 (福浦未乃理)

 小田原駅から南西に約八百メートルの丘を上ると、目の前に鮮やかな緑色の芝が広がる。事前キャンプの練習拠点、城山陸上競技場だ。

 整備を担うのは、管理会社VAIS(バイス、小田原市)のグラウンドキーパー。競技場がラグビー仕様に改修されたのを機に、二〇一七年から市の委託を受けて管理している。

 グラウンドキーパーは、芝の固さや根の育ち具合などを細かくチェックし、状態に合わせて水や栄養をやり、数ミリ単位で刈り込みをするのが日々の仕事。時に芝の葉の枚数を一枚一枚数えることもある。そうして蓄積したデータを元に、数カ月、一年先を見越して丁寧に育て上げる。

 「芝は適度な固さが命」。こう語るのは、鈴木克明社長(46)。ラグビーでは、タックルなど激しいプレーで滑り込んだり、スクラムで足を踏ん張ったりする。世界規模の大会に携わるのは初めての同社にとって、ワラビーズの受け入れは「築いてきたものが世界大会で通用するのか、というチャレンジ」だった。

 最近の異常気象で管理はマニュアル通りにはいかない。今年は、雨が多く日照時間も足りず、芝が弱々しくなる恐れのある「難しい年」だった。しかし、刈り込みの時期を細かく調整するなどし、ワラビーズが小田原入りした九月に万全の状態に仕上げた。

 練習を終えた選手からは「全く問題ない。このコンディションを保ってくれれば最高」という、これ以上ない答えが返ってきた。練習の合間に慣れない日本語で「ありがとう」と感謝の言葉も掛けられたという。

 鈴木社長は「言葉の壁はあったが、すごくフレンドリーだった」とワラビーズの素顔を明かす。一足先に最高の仕事をやり遂げ、願うは選手たちの笑顔。「最後まで勝利してくれたら最高です」

 ◇ 

 ワラビーズは二十一日、札幌ドーム(札幌市)でフィジーとの初戦を迎える。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報