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【神奈川】

本屋さん変身、地域交流の拠点に 創業70年の「石堂書店」 倉庫改装始まる

石堂書店の前に立つ石堂さん(右)と酒井さん

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 東急東横線妙蓮寺駅(横浜市港北区)近くにある創業七十年の「石堂書店」が、地域コミュニティーや文化発信の拠点に生まれ変わろうとしている。これまでも店の二階でイベントを開くなどしてきたが、今月から店の隣の倉庫の改装を開始。読書したり飲食物を持ち込んでくつろいだりするスペース「こいしどう書店」として、十二月の開設を目指す。 (志村彰太)

 「地域の人同士がつながる、まちの本屋を残したい」。二〇一一年に父から経営を引き継いだ三代目店主の石堂智之さん(39)は熱く語る。ピーク時から売り上げが四割ほど落ちる中、「地域に密着した書店が生き残る」と考え、近所に住む作家や学術書の著者を招いたトークイベントや落語の寄席などを開き「本を売るだけの店」から脱却しようとしてきた。

 一五年、老朽化した店舗を建て替えようと、古民家を再生したカフェを運営するなど地域再生に注力する不動産・建設業経営の酒井洋輔さん(42)=同区=に相談。資金不足で建て替えは断念したが、昨年末に「今ある資源を使って新しいことをしよう」と思い直し、酒井さんや近所の出版社経営者やデザイナーら計七人でチームを結成した。

 今年七月、使っていなかった店舗二階をボランティアと一緒に改修して「ホンヤノニカイ」と命名。落語の会場や、シェアオフィスとして開放。第二弾として発案したのが「こいしどう書店」だった。

 倉庫改装に必要な費用は、ウェブで資金を募るクラウドファンディングで八〜九月に集めた。目標額の百五十万円を上回る、二百二十万円超が集まり「期待の大きさを感じた」と石堂さん。近所の芸術家の作品を紹介するコーナーや休憩スペースを設け、作家のトークショーも開く。運営費は賛同者が寄付した本の販売収益などで賄う考えだ。

 取り組みを知った客からの「本屋は必要」という声に加え、他地域の人からも「うちの地区では本屋がなくなって困っている。頑張って」という励ましの声が来ているという。石堂さんは「ネットで本が買える現代に、新しい本屋の形を模索していく」と意気込んでいる。

店の隣の倉庫。「こいしどう書店」として生まれ変わる=いずれも横浜市港北区で

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