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【神奈川】

台風19号 川崎市内に豪雨の爪痕 1人死亡 6人けが

災害対策本部会議で被害状況を確認する福田紀彦市長(左)=市役所で

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 台風19号の影響で、市内では12日夜に平瀬川が氾濫するなど各地で被害が出た。高津区溝口で60代男性が死亡したほか、男女6人が避難中に転ぶなどして軽いけがを負った。中原区上丸子山王町や高津区諏訪など、主に多摩川支流に近い市内5カ所で浸水被害が激しく、市が状況確認と復旧を進めている。 (大平樹)

 市によると、平瀬川は高津、宮前の両区を流れる多摩川水系の一級河川。市は十二日午後八時ごろ、多摩川との合流部に近い高津区の下流部で、川の水位が堤防を超えたのを確認した。市はポンプ車による排水を進めていたが、流れる先の多摩川の水位が上がったことで、平瀬川の水が行き場を失ったという。死亡した男性が見つかったマンションは川に近く、一階部分が水没した。

 市が設置した避難所に避難した人は、過去最多の約三万三千百五十人に上った。

 市は多摩川や平瀬川の水位が上がった十二日午前十時、全市の浸水想定区域に住む人に避難勧告。水位の上昇に合わせて、同日夕方から夜には避難指示も出し、一夜明けた十三日午前六時になっても約一万五千人が避難していた。

 市内では一時、約二万戸が停電し、市が開設した避難所も五カ所が停電した。他に、百二十人が入居する中原区宮内の特別養護老人ホームで停電と断水の情報があるという。多摩川の水位が高いため、浸水した地域での排水が進んでおらず、市が復旧を急いでいる。

 福田紀彦市長は十三日午後一時に市役所であった災害対策本部会議後、報道陣に「死者が出たことは残念の極みだ。対応を分析する」と語った。「平瀬川以外の河川でも水位が上がり、(堤防を越える)越水をまぬがれたのは紙一重だった」と振り返った。

◆「不安な一夜」 ボートで救出

平瀬川から水があふれ、床上浸水した住宅から畳を運び出す人たち

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 平瀬川の氾濫による浸水で一階の住人男性が死亡した川崎市高津区のマンションで十三日午前、上階の自室に取り残されていた男女二人の住人が市消防局のボートで救助された。疲れ果てた表情の男性は「ライフラインが止まって冷蔵庫も動かず、食事ができなかった」と不安な状態で一夜を明かしたことを振り返り、「浸水していなかったので、それだけはありがたかった」と話した。

 現場には朝から、浸水による悲報を知った人も多く駆けつけた。同区内に住む無職女性(85)は市民グループ「高津地区一日一万歩歩こう会」の役員。「九十歳をすぎた会長がこの近くに住んでいるので心配で来ました。(昨夜は)雨がすごくて多摩川の近くで大丈夫かなと思った。でも、ここで亡くなる方が出るなんて」と話し、胸を押さえていた。

 JR武蔵溝ノ口駅近くに住む無職男性(72)は長く住む町の被災に心を痛めていた。「四十年くらい住んでいるが、水害で人が亡くなるなんて。こんなことは初めて」と残念がった。 (安田栄治、石川修巳)

男性が死亡したマンションから消防のボートで救助される人たち=いずれも高津区で

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