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【神奈川】

<記者だより>台風

 一九九一年九月に日本列島に甚大な被害を与えた台風19号。収穫前のリンゴを落としたことから、“リンゴ台風”として、記憶している人も多いはず。当時小学生だった私は九州の実家で、母、兄と身を寄せながら、不安な夜を送った。

 突風で家の窓ガラスは割れ、周囲一帯が停電になった。仏壇から持ってきたろうそくをともし、台風が過ぎ去るのを祈るように待った。ビュービューと渦を巻くように吹く風の音は、人が何かをささやいているように不気味だった。翌朝に山で見た、名産のスギが同じ方向を向いて倒れている異常な光景を、いまも忘れることができない。

 今年、相次いで県内を襲った台風15号と19号は、その時の記憶を呼び起こすほどに、すさまじい風雨だった。川からあふれた水は住宅地を浸し、崩れた山が人家を飲み込んだ。時代は変わり、防災への意識も進んだが、自然の猛威の前には人はまだ非力だと知った。大丈夫だろう、と過信せずに次の災害に備え、身を守る方法を改めて考えたい。 (土屋晴康)

 

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