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【神奈川】

<ラグビーW杯 頑張れ!ワラビーズ>「みんなを一つに」実感 小田急電鉄 ワラビーズ号で交流

ワラビーズのロゴで装飾した特急ロマンスカー「ワラビーズ号」と鈴木さん=東京都新宿区で

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 熱戦が続くラグビーワールドカップ(W杯)。小田原市で事前キャンプをした豪州代表ワラビーズは準々決勝で力尽き、優勝はかなわなかった。それでも、社を挙げて応援してきた小田急電鉄の担当者は「スポーツがみんなを一つにする力があると感じさせてくれた」と振り返った。 (福浦未乃理)

 カンガルーに似た小型動物「ワラビー」をかたどった金色のロゴが、白い車体の前面と側面にきらりと光る。小田原と新宿を結ぶ特急ロマンスカーは十一月三日まで「ワラビーズ号」に変身中。車内にグッズを展示し、試合開催日は座席をチームカラーの金色のカバーで覆った。両駅は選手の写真やワラビーズのロゴのポスターであふれ、歓迎ムードで包まれていた。

 小田急がワラビーズの応援を決めたのは、事前キャンプ地が小田原だったことに加え、海外から訪れる外国人観光客に小田急をPRする「インバウンド戦略」のため。

 担当を任された経営戦略部課長代理の鈴木暁さん(37)が「晴れの舞台」に定めたのは、メンバーが国内入りする九月九日。羽田空港に到着したメンバーをワラビーズ号に乗せ、沿線沿いから千人で出迎えよう、と企画を立てた。

 有志の社員二人と計三人で二カ月間、準備に費やした。乗務員など現場社員に協力を依頼し、沿線沿いに住む市民に声をかけた。予想以上の反響で、計千四百人以上が手を挙げ、手作りの横断幕や旗を用意している人もいるという話まで耳にした。

 行く手を阻んだのは台風15号。最後まで開催を目指したが、メンバーが搭乗する予定だった便のキャンセルが決まり、到着が遅れると知った前日に中止を決めた。「アクシデントはつき物」と気持ちを切り替え、落ち込む同僚を励ました。

 すると、再びチャンスが訪れる。今月六日、選手四人に新宿駅に来てもらい、ワラビーズ号が清掃で停車する十五分間で、乗客との交流イベントを開いた。

 先頭車両から降りてくる乗客を選手が乗降口で出迎え、ハイタッチ。選手と記念撮影したり握手を交わしたりするたび、ホームは歓声と笑顔で沸いた。鈴木さんも「見たい風景が見られた」と同僚と喜びを分かち合い、イベント後に選手から「母国にいるみたい」とうれしい感想を聞いた。

 きっかけは仕事だったが、自ら高価なチケットを購入して観戦するほどラグビーに夢中になった鈴木さん。ずっと応援してきた分、準々決勝での敗北は心にぽっかりと穴があいた気分になったが、ワラビーズへの思いは消えていない。

 「一カ月間楽しませてもらった。感謝の気持ちでこれからも応援したい」

  =終わり

 

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