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【神奈川】

カフェになった引退車両 箱根登山鉄道のモハ1形107号

カフェに生まれ変わった車両=いずれも小田原市で

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 7月に引退した箱根登山鉄道の人気車両「モハ1形107号」が、小田原市風祭の「鈴廣(すずひろ)かまぼこの里」で、電車カフェに生まれ変わった。運営する老舗「鈴廣蒲鉾本店」が新たな客層を得ようと、譲り受けた。かまぼこの里前は、正月の箱根駅伝の小田原中継所に位置。1世紀にわたり、箱根の山を駆け抜けた名物車両は、たすきをつなぐ新天地で新たな時代を歩む。 (西岡聖雄)

 モハ1形は、箱根町の箱根湯本から強羅までの山岳区間(8.9キロ)が開通した1919年にチキ1形として登場し、7両が製造された。107号は、走行時に独特のうなり音を出す旧式駆動で人気が高い。70年前に木製の車体は鉄製に改造されたが、100年前の部品もあり、登山鉄道100年の歴史を刻む。

 車両は、9月にオープンした「えれんなごっそCAFE107」の屋外の飲食スペース脇に置かれた。車内のつり革や寄木(よせぎ)細工柄のシートは往時のまま。新たにテーブルと車窓の風景映像を流すモニターが置かれ、旅行気分を味わいながら飲食を楽しめる。

 現在製造する車両にはない希少な円形の手ブレーキハンドルを含む運転台を窓越しに見学することもできる。急カーブやポイント通過時、レールと車輪の摩耗を防ぐ散水装置も間近で見られる。歯車で補助せず、通常の車輪だけで走る鉄道としては日本一、世界でも2番目の急勾配を走る時、空転や制動力低下の原因となる油の代わりに水をまく登山鉄道ならではの仕組みだ。

往時のシートなどが残る車両内でゆったりと飲食を楽しめる

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 カフェは107号にちなんで考案した107種類のかまぼこピンチョス(つまみ)を提供している。最もおいしくなる厚さ12ミリに切った高級かまぼこに、タケノコやイチジクといった四季折々の具材を組み合わせ、日替わりで3種を提供する。地ビールのほか、曜日によりちくわを使ったパンやかまぼこのサンドイッチなどもある。

 広報の奥村真貴子さんは「かまぼこに興味がない人にも魅力的な食べ方を提供したい」とメニューの狙いを話す。箱根登山鉄道の中老雅明さん(52)は「天井や窓枠が木の内装で戦後のレトロな雰囲気を残す車両。現役の頃にはなかった冷房も付き、第二の人生を全国のファンに喜んでもらえる」と顔をほころばせた。

 オープンと同時に訪れた横浜市の会社員柴谷章仁さん(35)は「2歳の長女が電車好きなので、温泉帰りに立ち寄れる場所ができうれしい」と満足そうだった。問い合わせは、えれんなごっそCAFE107=電0465(23)7373=へ。

カフェで提供されるかまぼこやちくわを使ったメニュー

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