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【神奈川】

お年寄りのため「買ってくるね」 横浜のNPO 代行サービスが人気

商店街で食材を買い、樋口さん(右)に届ける津ノ井さん=横浜市南区で

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 気軽に外出しづらい地域で暮らす高齢者のため、横浜市南区のNPO法人が始めた買い物代行サービス「買ってくるね」が好評だ。法人の拠点の近くには「横浜三大商店街」の一つで、百二十一店舗が加盟する横浜橋通商店街がある。地の利を生かし、顧客一人一人の好みに細かく対応する柔軟さと、依頼の翌日には届ける迅速さが受け、利用件数は毎月四十件を超える。 (丸山耀平)

 「野菜や魚を買ってきてほしい」。十月上旬、同区の無職樋口玲子さん(88)から依頼を受け、NPO法人「おもいやりカンパニー」理事長の津ノ井美晴さん(37)は、横浜橋通商店街に向かった。

 魚を選ぶため、複数の鮮魚店を行ったり来たり。「魚ならこの店、などこだわる人もいる。依頼のあった人に合わせて店を選びます」。その後、車で訪ねて食材を手渡す。「体調はどう?」「また来るね」などと声をかけるのも忘れない。

 樋口さんの自宅は、商店街から坂道を登った先にある。「足が悪くて外に出るのは大変。毎回量が多くて申し訳ないと思うけど、嫌な顔せず買ってきてくれて、本当に感謝」と笑顔を浮かべる。

 利用者の多くは、樋口さんのように同区の唐沢地区や平楽地区など、坂の上にある地域に住む高齢者たち。買い物後に食材を持って帰るのは一苦労だが、タクシーで行くのは割高だと感じ、敬遠しがちになるという。

 津ノ井さんが買い物代行サービスを始めたのは、以前参加していた子育てサークルのハロウィーンパーティーがきっかけ。地域の高齢者と初めて関わり「もっと交流してみたい」と思い、話していく中で「買い物に行くのが不便だ」との声にヒントを得た。

 昨年二月、仲間二人と市民団体「おもいやり隊」を発足。高齢者が遠くに出なくてもパンや野菜を買えるよう、坂の上にある空き家の軒先を借りて販売する「ママ・マルシェ」を開催した。にぎわったが、そこからでも家まで荷物を持ち帰るのが大変な人もいた。

 そこで同五月、買い物代行サービス「買ってくるね」を始めた。電話で依頼を受け、代金のほかに一回三百〜五百円の配達料がかかるが、昨夏が猛暑だったこともあって依頼が増えた。年末からは、掃除サービスや話し相手になる見守りサービスも始めた。

 津ノ井さんは「地域との関わりを持ちたいと始めたサービスだけど、利用者の皆さんからありがたがってもらえているので、うれしい。買い物が難しい人がいるのなら、これからも続けていきたい」と話す。

 

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