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【神奈川】

台風19号 川崎市の避難者、過去最多3万3150人

台風19号の影響で市内各地で浸水被害が出て、多くの人々が避難した=10月13日、高津区で、本社ヘリ「あさづる」から

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 川崎市が設置した避難所に、「記録が残る中では過去最多」(市危機管理室)の三万三千百五十人が避難した。あらためて関係者に取材すると、前例のない事態に、官民で混乱を乗り切る工夫をしていた姿が見えてきた。

 多摩区では区内十七カ所の避難所に約八千人が詰め掛けた。台風15号(九月)で避難所を利用した約三十人から大幅に増え、不安を抱える区民も多かったが、大きな混乱は避けられた。

 多摩区役所は十二日午前、人があふれて混乱すると見越した二カ所の避難所から多摩市民館へ避難者を移送することを決めた。

 急きょ、台風上陸に備えて計画運休していた市バスを手配。午後一時から市立宿河原小学校に既に避難していた約五十人を三台のバスに分乗させて移送。同二時には市立菅小学校から約百三十人をバス四台でピストン輸送した。同五時には避難所を二カ所増やす対応もし、同十時のピーク時に宿河原小で約七百七十人、菅小で約二百二十人が三、四階の教室に避難することができた。

 同区の危機管理担当者は「早めの判断で混乱はなかったが、区内の五万世帯全員を避難所に収容することはできない。避難先は避難所だけではないので、どこが最も安全な場所かを自分たちで判断して行動してほしい」と呼び掛けている。

 約五千二百人が避難した高津区は、十七カ所の避難所で対応。市立東高津小学校は区内最多の千百三十九人が避難したが、上階の教室に振り分け収容できた。

 同区の集合住宅では、入居者らが参加するSNSの活用もみられた。賃貸マンション、アパートを経営する木村憲司さん(48)は、入居者と新規契約する際に、グループライン(LINE)かフェイスブックに任意で参加することを呼び掛けている。所有物件の入居者の八割と地域の知人らがラインでつながっている。

 「入居者同士、また町の人たちとも顔が見える付き合いができれば町内の連携が深まる」と木村さん。今回、多摩川に近いマンションに水が迫った情報を回すと、近所から十人ほどが駆け付け水のうを積んで床上浸水を防いだ。木村さんも「上階に空き部屋があるからもしもの時はそこに避難して」「食料や水の備蓄が一週間分あるから安心して」とラインで呼び掛けた。

 一カ月に一度は入居者同士の懇親会も開催している木村さん。「いろいろなことが防災に役立つ」と話していた。 (安田栄治)

◇市設置の避難所に避難した人数

川崎区 6070

幸 区 3870

中原区 8830

高津区 5240

宮前区 480

多摩区 8040

麻生区 620

合 計 33150

市危機管理室調べ

 

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