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【神奈川】

<東京2020 地域で家族で育む>サッカーなでしこジャパン 田中美南選手と麻生区のスポーツクラブ

なでしこリーグカップ戦の優勝Tシャツを着た田中選手(中央)と撮った記念の1枚は、原島さん(右)と田村さん(左)にとって大切な宝物だ(原島さん提供)

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 東京五輪が7月に、パラリンピックが8月に開幕する。力と技を磨き上げたアスリートたちが躍動する、4年に1度の祭典だ。応援したり支えたりと、地元ゆかりのアスリートの心身を育んできた人たちの物語を紹介する。

     ◇

 「美南(みな)ちゃんに会いたくて通ってる」−。こう話す女性が何人も足しげく通うスポットが川崎市麻生区の小田急線新百合ケ丘駅前にある。女子サッカー日本代表「なでしこジャパン」のストライカー田中美南選手(25)がインストラクターをしているスポーツクラブ「ティップネス新百合ケ丘店」だ。

 昨シーズンのなでしこリーグで五連覇を果たした日テレ・ベレーザで主将を務め、四年連続の得点王、二年連続で最優秀選手賞を受賞した田中選手。素直で人なつっこいところも持ち味だ。行く先々で好かれ、「東京五輪でも頑張って」の声が区内のあちこちから聞こえてくる。

 二〇一七年四月からインストラクターとして週二回勤務するティップネスもその一つ。三年半前から会員の横浜市青葉区、叶井(かない)裕子さん(54)は、田中選手との出会いがトレーニングの取り組み方に影響したという。「スクワットをしていたら、膝の内側に手を添え、正しいフォームを指摘してくれた。ただ回数をこなすのではなく、けがを防ぎながら効果的な方法を指導してくれる」と叶井さん。

 田中選手もトレーニングを積み重ね、大柄な外国選手にも当たり負けしない体の芯の強さを築き上げた。その工夫を指導に生かし、会員の信頼を集めている。

 同店の浜口亜希子支配人(41)は「観察力も生きてる。特に故障しそうな人には丁寧に分かりやすく指導。トップアスリートの存在感だけでなく、安心感、親近感があるから会員の皆さまが周りに集まる」とみている。昨夏のワールドカップ(W杯)フランス大会で代表から漏れた時は心配したが、「悔しいだろうに言葉にせず、勤務態度も変わらず丁寧。先の目標・東京五輪を見ている姿に強さを感じた」。

 ティップネスではスタッフの原島あずささん、田村佳奈さんと、叶井さんら会員の二十人ほどで応援ツアーを企画し、田中選手の出場試合に駆けつけている。ベレーザの主力選手の多くがW杯のため欠場した試合を見た叶井さんは「若い選手を鼓舞して攻撃だけでなく守備にも力を注いで勝利に導いた。W杯に出ない間も選手、主将として一回りも二回りもスキルアップした」と感心した。

「東京五輪で店の前に応援の垂れ幕を下ろしたい」と語る、田中選手行きつけのすし店「楠本」経営の楠本さん(左)とスタッフ=川崎市麻生区百合丘で

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 小田急線百合ケ丘駅前のすし店「楠本」は月に一度、また海外遠征後に必ず訪れる田中選手行きつけの店だ。経営する楠本光秀さん(56)は「何でもおいしそうに食べ、明るく気配りができるから、他のお客さんからよく声をかけられる。一度会ったら応援したくなる選手だよ。この町の財産だ」と代表復帰に目尻を下げる。

 なでしこジャパンに復帰した昨年十二月の東アジアE−1選手権では四大会ぶりの優勝に貢献した。挫折を乗り越え心身ともに成長し続けるストライカーは、東京五輪の大舞台に向かって力強く歩を進めている。 (安田栄治)

<サッカー(女子)> 東京五輪で金メダル獲得を目指す女子日本代表「なでしこジャパン」は2月に招集され、4度の国内合宿を行った後、3月に米国に遠征して国際親善大会「シービリーブスカップ」に参加して強化を図る。その後、4月と6月に国内での国際親善試合を行う。五輪開幕直前に京都スタジアムで五輪壮行試合となる国際親善試合に臨み、18選手が7月22日から始まる五輪本番に挑む。

 

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