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【神奈川】

被告のスイッチ「どこで」 「やまゆり園」事件地裁初公判 傍聴者ら、解明願う声

植松聖被告の裁判員裁判初公判の傍聴券を求めて並ぶ人たち=横浜市中区で

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 横浜地裁で八日に始まった相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」での四十五人殺傷事件の裁判員裁判。傍聴しようと集まった人たちからは、廷内で右手小指をかみ切るような動きをした植松聖(さとし)被告(29)への困惑とともに、事件の解明を願う声が聞こえた。 (北爪三記、福浦未乃理)

 「びっくりした。どういう意図があるのか考えると、逃げかなという印象」。障害のある人たちのグループホームを運営するNPO役員の山崎幸子さん(71)=東京都品川区=は、初公判の傍聴で植松被告の行動にこう感想を漏らした。

 弁護側は、事件当時に植松被告が心神喪失か心神耗弱状態だったと主張。責任能力の有無が公判の争点となる。山崎さんは「(障害者支援の)現場にいた彼のスイッチがどこで入り、事件を起こしたのか。解き明かされてほしい」と話した。

 障害者の自立生活を支援する団体「自立の魂(じりたま!)」で活動する小野和佳さん(37)=横浜市南区=は傍聴後、「(植松被告が)変わっていく様子に気付いた人がいて、事前に環境を変えることができれば、犯行に及ばなかったのだろうか」と語った。

 先天性の障害がある住田理恵さん(45)=兵庫県西宮市=は傍聴席で植松被告の生の声が聞けたことを「よかった」としたが、被告の行動については「何を表現しようとしたのか」と困惑した様子だった。

 用意された二十六席の一般傍聴席を求め、千九百四十四人がこの日、地裁近くの「象の鼻パーク」(横浜市中区)に列を作った。

 主婦中野君枝さん(67)=藤沢市=もその一人で「被告はいまだに『障害のある人がいてもらっては困る』と言っていると報道されている。どうしてそういう考えに至ったのかを聞きたい」と話した。

 重度の障害のある姉がいる会社役員の男性(68)=千葉県=は、植松被告に対して「憤りはもちろんだが、なぜなんだろう、ということを知りたい。被告の主張は理不尽で一方的だが、なぜそういう思いにとらわれてしまったのか」。

 植松被告との接見を重ねるノンフィクションライター渡辺一史さん(51)も傍聴はできなかったが、「意思疎通できない人は安楽死させるべきだ」と主張してきた植松被告に、あらためて「四十五人を殺傷した罪と、過去の自らの言動にちゃんと向き合ってほしい」と望んだ。

 

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