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【神奈川】

「富士山の大噴火も」 小田原で火山防災の国際講演会

多くの人が詰め掛けた火山防災の国際講演会

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 火山防災の国際講演会「火山との共生を目指して」が16日、小田原市の県立生命の星・地球博物館で開かれ、市民ら約250人が耳を傾けた。火山研究者の交流の場にと、博物館と県温泉地学研究所が初めて開催。火山噴火予知連絡会元会長の藤井敏嗣・山梨県富士山科学研究所長と海外の専門家2人が噴火対策の現状や課題を報告した。 (西岡聖雄)

 藤井所長によると、十七〜十九世紀に国内で噴出物が八億トン以上となった大噴火は、一世紀ごとに五回前後発生していた。藤井所長は「二十世紀の大噴火は戦前に二回しかなく、今世紀中に大噴火を何回か経験する覚悟をするべきだ」と述べた。

 さらに、藤井所長は「富士山は過去三千五百年の間、平均して三十年に一度程度噴火した。だが、宝永噴火(一七〇七年)以降休んでおり、いつ大噴火してもおかしくない」と警鐘を鳴らした。富士山の噴火による噴煙は西風に流されるため、宝永噴火並みだと小田原−横浜間で火山灰は少ないところで二十センチ前後積もる。一センチ以上積もるとろ過機能が低下し、上水道が停止。十センチだと四輪駆動車も走れないという。

 現行の防災体制について、藤井所長は「海外のように避難などを担当する危機管理専門機関が国内にはなく、気象庁が防災行動にまで関与しているが、限界がある。職員にも火山の専門家が少ない」と指摘した。

 ニュージーランド地質・核科学研究所の二人も登壇。グラハム・レナードさんは、文字ばかりでなく一目で分かる図などが入ったハザードマップや安全マップづくりを紹介。サリー・ポッターさんは、同研究所と国の緊急事態管理庁などとの役割分担を解説。昨年十二月、火山島が噴火したことを受け、それまで職員が使用していた「噴火確率」を初めて一般に公開したことなどを説明した。

 講演会にからみ十五、十六日には、箱根町のホテルでワークショップが催され、内外七十人の研究者が議論を深めた。

藤井敏嗣・山梨県富士山科学研究所長=いずれも小田原市で

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