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【神奈川】

神奈川フィル 創立50周年 財政難乗り越え地元密着 県内11カ所で記念公演

創立50周年記念の公演に向けて握手する(左から)上野理事長、黒岩知事、川瀬さん=県庁で

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 今年、創立50周年となる神奈川フィルハーモニー管弦楽団は5月9日の海老名市文化会館を皮切りに、県内11カ所で記念公演を開く。財政難による存続危機など、さまざまな困難を乗り越えて迎える節目だ。(志村彰太)

 神奈川フィルは前身の「ロリエ管弦楽団」から改組して一九七〇年に発足した。東京の楽団に引けを取らない質の高い演奏を続けてきたが、債務超過の状態が長年続き、神奈川フィルの上野孝理事長は会見で「かつて、理事長の一番大きな仕事は年末に銀行に行ってつなぎ融資をお願いすることだった」と振り返った。

 県の補助金も年々減額されて収入が細る中、公益財団法人に移行するために債務超過を解消する必要に迫られ、存続の危機に陥った。こういった中、県と神奈川フィルは二〇一一年二月に基金をスタート。県民や企業などから寄付を募った。黒岩祐治知事がコンサート後、「このままでは神奈川フィルはつぶれます」と寄付を呼び掛けるなど、決死の活動が実って一四年までに寄付額は四億六千万円に達し、同年に公財に移行した。

 この間、大きなホールで演奏し、東京でも公演していた神奈川フィルにも意識変化が起きた。広く協力を呼びかけるため、小学校に出向いて演奏会を開くなど、地域に密着した楽団へと変化していった。

 上野理事長は「東京には有名なオーケストラがたくさん来る。それらと対抗できる高度な演奏をしつつ、地元密着をするというバランスを取るのは難しかった」と話す。黒岩知事は「寄付集めは最初のころ、集まりが悪く苦労した。必死に呼び掛ける中で、団員の意識にも変化が起き、それによって演奏の質も上がっている」と評価した。

 十一カ所で実施する記念公演では、各市ゆかりの演奏家を招いたり、アマチュア合唱団と共演したりして、支援への感謝を表現する。このうち十一月二十一日は「祝賀演奏会」として、横浜みなとみらいホールで、マーラーの交響曲第八番「千人の交響曲」を演奏する。

 一四年から常任指揮者を務める川瀬賢太郎さん(35)は「交響曲第八番は多額の費用がかかるので、指揮するのは長年の夢だった。いろんな人に聞いてほしい」と話した。

 公演の詳細な日程は神奈川フィルのホームページか、神奈川フィル・チケットサービス=電045(226)5107=へ。

 

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