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【暮らし】

食の先生を家庭に 親のニーズ背景に、都内企業が派遣

訪問先の子どもと料理をする佐藤由香さん(右)=東京都練馬区で

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 年齢に応じて子どもに料理を教えたい、と考えている家庭は多いだろう。ただ共働き家庭やひとり親家庭では、子どもと一緒にメニューを考え、買い物して調理する時間が取りにくい。そんな忙しい親たちのニーズに応えようと、子どもと一緒に調理しながら食の大切さを伝える管理栄養士らを「食の家庭教師」として派遣する事業が都内で始まった。 (神谷円香)

 「お塩って?」「白い粉みたいなやつだよ」「ああそっか!」。六月下旬、夫婦共働きの東京都練馬区の笠間久智(ひさとし)さん(32)、梓子(あずさこ)さん(35)宅で、長女椿生(つばき)ちゃん(4つ)が、管理栄養士の佐藤由香さん(29)と一緒にギョーザ作りに挑戦していた。佐藤さんは三月まで、保育園で野菜を育てたり、季節の食卓の話をしたりした食育のプロだ。

 調味料を入れて混ぜた具材を、袋から取り出したギョーザの皮で楽しそうに包む椿生ちゃん。「椿生が作ったギョーザだよ」とうれしそうに両親に報告した。

 笠間さん夫婦は、お手伝い好きな長女の習い事を探していてこのサービスを知った。平日は、時短勤務の梓子さんが、長男椋太郎(りょうたろう)君(2つ)と椿生ちゃんを保育園に迎えに行ってから夕食を準備する。「時間に追われ、一緒に料理をする余裕がない。娘のやりたい気持ちをかなえてあげられるのはうれしい」

 サービスを始めたのは、株式会社かぞくごはん(渋谷区)。社長の高橋未来(みく)さん(28)は幼児教室に勤務した時、子どもと触れ合う中で「料理は、幼児期から小学生までの子どもの発達に大切な五感をフルに使える経験」と感じた。子どもと一緒に料理する事業「かぞくごはん」を始めた。

 調理するだけでなく、冷蔵庫の中にある食材や調味料を確認して献立を考え、必要なものを買い物するまでが「学び」の流れ。基本の三時間コースは六千九百八十円だ(食材費は別途)。高橋さんは「家族の一員として子どもにも料理の力を付けてほしいという家庭もある。子ども自身も料理にかかる手間暇を理解したり、自分にもできる、という自信を付けたりできる」と意義を語る。

 調理では火や刃物を使うので、利用者側にすれば安全面がより重要。同社は、佐藤さんのように保育園など現場経験が豊富な人を採用したり、四十年以上家庭保育事業を行っている「エスク」(本部・大田区)に協力してもらったりして、派遣する人の質の確保に努めている。

 エスク代表の名木(めいき)純子さん(79)は、「お膳立てされた料理教室ではなく、子どもたちが冷蔵庫を見て、これも作れる、と想像できることは大事。子どもの『孤食』も問題になる中、だれかと一緒に作って、食べる時間も重要」と話す。

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