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【暮らし】

地球規模で広がるプラごみ汚染 商品選択で減らす努力を

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 プラスチックごみによる地球規模の汚染が問題となる中、飲食店がプラ製ストローの提供を取りやめるなどの動きが世界各地で広がっている。プラごみを少しでも減らすため、普段の暮らしの中で取り組める工夫はないだろうか。環境問題の専門家に聞いた。 (河郷丈史)

 今、問題となっているのは「マイクロプラスチック」(MP)と呼ばれる一辺が五ミリ以下のプラスチックのかけら。プラごみが海へ流出すると紫外線や波で細かく砕かれてMPとなり、これが海洋中の汚染物質を吸着して魚が食べたりすると、生態系に悪影響を及ぼす恐れがある。世界で毎年八百万トン以上が海に流れ込んでいるとされ、二〇五〇年までに魚の量を上回るという予測もある。

 プラごみの削減といっても、プラスチックは容器や包装、衣類、紙おむつなど、生活に欠かせない製品の多くに使われている。これらを使わずに暮らすのは難しいが、廃棄物工学が専門の京都大大学院准教授の浅利美鈴さん(41)は「買い物をするとき、プラスチックがどれだけ使われているのかを意識して、少ないものを選ぶといい」とアドバイスする。

 例えば、お菓子を買う場合でも、一枚の袋に中身がそのまま入っているものもあれば、一つ一つ個包装されているものもある。シャンプーやリンスはボトルを買い直すよりも詰め替え用を買い、ボールペンは交換用のインクを使った方が、プラの量が少なくなるし、財布にも優しい。食品を包んだりするラップは、洗って繰り返し使える製品も出回っている。

 化学繊維を使ったフリースなどの衣類もプラ製品の一つ。洗濯するたびに繊維が抜け落ち、それが下水を通じて海に流れていると考えられている。新たに服を買うなら綿や麻など、天然繊維の製品を意識して選ぶのも手だ。

 冷たいドリンクを飲むときにストローを使うなら、紙や金属など、プラ以外でできたものを選ぶといい。金属製なら繰り返し洗え、マイストローとして利用できる。コンビニで弁当などを買うと、何も言わなくてもスプーンやフォークをつけてくれることがあるが、不要ならあらかじめ断ろう。

 「ごみ出しのマナーを守るのも、MPを出さないことにつながる」と浅利さんは言う。ごみ袋をカラスなどが荒らしてプラごみが散乱すると、風などで海まで移動する可能性があるからだ。決められた時間に出したり、防鳥ネットを掛けたりして、ごみが散らからないようにしよう。

 ペットボトルももちろん、プラごみになる。環境保護問題に取り組む認定NPO法人「環境市民」(京都市)副代表理事の下村委津子(しづこ)さん(57)は、水筒などのマイボトルの活用を勧める。

 ペットボトル飲料を買うよりも経済的で、保温効果があるため、夏は冷たいまま、冬は温かいまま持ち運べる。デザインやサイズなど種類も多いので、好みの製品をファッション感覚で持つといい。自宅で飲み物を入れて出掛けてもいいし、お茶を入れてくれる給茶スポットや、マイボトルを持参すると割引対象となるコーヒー店もある。

 こうした取り組みで減らせるごみの量は限られるかもしれないが、個人の意識が少しずつ高まっていくことで、製品を作る企業などの動きも変わってくると、下村さんは説く。「消費者は、何を選ぶかで環境問題への意思表示ができる。その積み重ねが社会を変えることにつながります」

 

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