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【暮らし】

新年への思い、筆に込めて 書き初めのコツは

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 抱負などを書き、前向きな気持ちで新たな年をスタートさせる書き初め。冬休みの宿題に出ているという子どももいるだろう。親が子どもと一緒に書き初めをするとき、どんなアドバイスを送るとよいだろうか。書写技能検定一級資格取得者で、「スミレ書道教室」(名古屋市)主宰の書道家・里映(りえ)さん(47)にポイントを教わった。 (河郷丈史)

 まずは言葉選び。「強い信念」「明るい心」「努力」など、新年の目標や抱負を書いてもいいし、「家庭円満」「笑顔」「感謝」など、自分や家族の幸せを願う言葉でもいい。「『どんな一年にしたい?』と子どもに問い掛けて、親子で話し合って決めるといいでしょう」

 書き初めは一月二日に、「画仙紙」と呼ばれる縦長の和紙に書くのが習わし。下敷きは墨のにじみを抑えるだけでなく、紙を安定させる効果もある。床や机の汚れが心配なら、広めのビニールシートやテーブルクロスなどを敷くといい。

 紙に向かい合ったら、気持ちを落ち着かせ、集中力を高めたい。里映さんは「上手に書けるイメージを思い描くことが大切」と呼び掛ける。両膝をつき、筆を持っていない方の手で和紙をしっかりと押さえてから書き始めよう。筆は和紙に対して垂直になるように握り、体全体を動かすと、美しい線になる。

 だんだん文字が斜めになってしまったり、大きさがばらばらになってしまったりすることもある。練習するときは、紙を縦に二つに折って「中心線」をつけておくと、バランスをつかみやすい。紙を折りたくない場合は、中央に赤い線を引いた和紙を下に敷き、透かせながら書くのも手だ。「中心線を意識するだけでも、ばらつきがなくなり、きれいに書けるようになる子もいます」

 文字の間隔がばらばらだとバランスが悪いので、均等になるように意識を。和紙の上下は数センチの余白をつくり、下の方を広めに空けるとよりきれいに見える。

 最初に筆を入れる「起筆」は、穂先が時計の十時の方向を向くようにして筆を入れるのが基本。例えば、漢数字の「一」を書く場合、穂先を十時の方向に向けて筆を入れた後、そのまま横へ送って線を引く。止めの部分で少しだけ筆を上げ、再び十時の方向に筆を押してから離すとよい。

 最後に、左の余白に名前を書き入れる。筆がふらつかないように小指を紙につけて、筆を立てて書こう。言葉の真ん中あたりから大きめを意識して、言葉の最後の文字の端よりも少し上の位置で書き終えるのがポイントだ。

 書き初めは部屋に飾って、一月半ばの小正月になったら、「どんど焼き」で燃やしてもらおう。炎が高く上がれば、字が上達するといわれている。

 里映さんは「書道は無心になることで日ごろの悩みを忘れられ、集中力を養うことができる。書くことで、新しい年への思いを心にしっかりと刻んでほしい」と話す。

 

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