東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 暮らし > 暮らし一覧 > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【暮らし】

「ペットと同居OK」施設増 サービス競争激化、サ高住や老人ホーム

 ペットと入居できるサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や有料老人ホームが増えている。自宅でペットと暮らす一人暮らしの人は多いとみられ、「健康不安から施設入居を考える場合、ペットと同居できるかは重要なポイント」と、施設を運営する事業者は話す。 (五十住和樹)

 昨年八月、京都市のサ高住「そんぽの家S京都嵐山」(四階建て、六十室)は、十九室ある二階をペットと暮らせる専用フロアに全面改装した。裏庭には犬を放し飼いにできるドッグラン(五十四平方メートル)をつくり、ペットの足洗い場なども設けた。近隣の動物病院やペットシッターを紹介するサービスもあり、飼い主が亡くなった場合はペットを引き取る業者に依頼する。

 運営会社「SOMPOケア」の施設企画などの担当部長、斎藤敦さん(48)は「他社との差別化を図るためにも専用フロアをつくった」と話す。

 約三万八千件を掲載している高齢者施設検索サイト「LIFULL(ライフル)介護」は二年半前、検索条件に「ペット可」を加えた。すると、この条件による検索件数が一年前の約二倍に増えた。担当の小菅秀樹さん(38)は「有料老人ホームなどはサービス競争が激しく、ペット可は選択のポイントの一つになっている」としている。

 障害者グループホームや高齢者デイサービスの運営などをしている「ケアペッツ」(東京)は直営のグループホーム八施設、デイサービス二施設で、保護動物と利用者のペットを受け入れている。犬の散歩などで地域とつながりができ、利用者同士の対話が増える効果が出ているという。

 社長の藤田英明さん(43)は「ペットを飼っているから施設に入れないと思い込んでいる高齢者は多く、潜在的なニーズは大きい」と話している。

施設で飼われている保護犬を膝に乗せる長滝ミヨ子さん=神奈川県横須賀市で

写真

◆対応可の特養「犬猫も伴侶」 神奈川・さくらの里山科

 ペットの犬や猫と暮らせる特別養護老人ホームとして知られる神奈川県横須賀市の「さくらの里山科」。各地から視察が相次ぐが、今もペット対応可の介護保険施設はほとんどない。ペットの世話は保険サービスの対象外なのが理由とみられるが、施設長の若山三千彦さん(54)は「将来は、ペット可の特養も増えるのでは」と推測する。

 「何十年も犬を飼ってきた。またここで犬と暮らせるのは楽しい」。長滝ミヨ子さん(85)は雑種の保護犬を膝に抱いてほほ笑んだ。一区画十室ずつで四区画ある二階は、二区画が犬、残り二区画が猫と暮らす専用スペース。現在は犬と猫が十匹ずついる。うち計八匹の犬猫は、施設が動物愛護団体などから譲り受けた。

 運営法人の理念は「人と暮らす犬や猫を伴侶動物とし、一体として命と生活を守る」。二〇一二年の開設時からペットや保護動物を受け入れてきた。「介護施設に入る時に手放した犬猫が一匹でも殺処分されないように」との思いからだ。

 犬や猫は区画内を自由に歩き回り、入居者とベッドで一緒に眠ることも可能。えさ代や予防接種費などの実費は飼い主負担だが、散歩やえさやりは職員やボランティアがする。ペットが死んだ時はホームで葬儀をし、入居者が先に亡くなってもホームの犬猫として大切にされる。職員の負担は大きいが、ペット対応の仕事を希望して入ったので不満は出ていないという。若山さんは「専用フロアの入居者は、もう一度犬や猫と暮らしたいと来た人たち。ペットとの介護生活を支えたい」と話す。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報