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【暮らし】

改元便乗 被害相次ぐ 「手続き必要」→カードだまし取る

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 新元号が決まり、いよいよ改元が近づいてきた。それに伴って、改元に便乗した詐欺や悪質なセールスも出てきている。「改元なので今日中に手続きしないといけない」などとうそをついてキャッシュカードをだまし取ったり、皇室と結びつけた商品を強引に買わせようとしたり。今後も被害が広がる恐れがあり、警察や国民生活センターが注意を呼び掛けている。 (河郷丈史)

 「過払いの保険金があるので、使っている銀行を教えてほしい。元号が変わるので今日中に手続きをしないといけない」。宮城県警によると、新元号が公表された直後の一日正午すぎ、同県岩沼市の八十代女性の自宅に、市職員を名乗る男から電話があった。

 女性が銀行名を教えると、今度は銀行員を名乗る男から電話があり「近くにいる銀行員にカードを取りに行かせる」「カードの暗証番号を教えてほしい」と言われた。女性は番号を伝え、自宅に来た男にカードを渡した。女性は知人に相談して被害に気付いたが、口座からすでに百万円が引き出されていた。

 大阪市東淀川区では、高齢女性が自宅に来た若い女から元号名目でカードをだまし取られ、二百万円を引き出された。埼玉県越谷市でも高齢女性が百万円を奪われる被害が発生。改元に便乗した詐欺とみられる不審な電話が全国で相次ぐ。

 警察庁特殊詐欺対策室によると、まずは「市役所職員」などを名乗る人物から「還付金がある」といった電話があり、続いて「金融機関の職員」から「元号が変わるからキャッシュカードが使えなくなる」との連絡があるパターンが多い。同室は「市役所や金融機関、警察がカードの暗証番号を尋ねたり、カードを預かったりすることは絶対にない」と呼び掛ける。

 天皇陛下の退位を口実にした悪質なセールスも目立つ。国民生活センターによると、相談者の多くが高齢者で、業者から電話がかかってきて、皇室の写真集やアルバムなどを買うように勧誘されたとの内容が多い。しつこく電話をかけてきて「今しか買えない」とあおったり、断ると「非国民」とののしったり。

 購入していないのに、一方的に商品が送り付けられるケースも。受け取りを拒否すればいいが、受け取ってしまった場合も十四日間(業者に引き取りを請求した場合は七日間)保管すれば、その後は処分できる。

 電話勧誘販売は八日以内のクーリングオフも可能だ。担当者は「改元絡みの相談が、今年に入ってから特に目立つようになった。不審に思ったらすぐに相談してほしい」と話す。

◆変化を強調 不安あおる

 詐欺やセールスに、なぜ改元が利用されるのか。消費者心理学が専門の神戸学院大の秋山学教授(53)は、改元は消費者が何らかの変化や対応を求められると思いやすい出来事で「消費者は、つい話を聞いてしまいがち」と指摘する。そして、だます側は「やらないと大変なことになる」と不安をあおったり、「お得だよ」とそそのかしたりして、消費者の感情を揺さぶってくる。さらに「時間がない」「早く」などとせかし、冷静な判断をできなくする。

 マイナンバーの導入や東京五輪の開催決定の際にも、便乗した手口が横行したとして「改元は特にインパクトが大きく、しばらく被害が続く恐れがある。だまされないためには、どのような手口があるのかを知ることが大切だ」と話す。

 

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