東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 暮らし > 暮らし一覧 > 5月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【暮らし】

だし活用、おいしく減塩 水でレンジで お手軽に

昆布(左)と干しシイタケの水だし。水に浸して一晩おくだけでだしがとれる

写真

 素材の味を大事にする和食の基本、だし。だしの味に代表されるうま味が減塩に役立つとして、最近、注目されている。全国で料理教室を展開する「ベターホーム協会」(東京)名古屋教室講師の伊藤美紀代さん(53)に、手軽においしいだしを取る方法を聞いた。 (山本真嗣)

 だしとは、昆布やかつお節、干しシイタケ、煮干しなどを煮出した汁のこと。グルタミン酸やイノシン酸、グアニル酸などのうま味成分が含まれ、料理にコクや風味が出る。伊藤さんは「うま味のおかげで味付けが薄くて済む。素材本来の味を感じられる」と話す。

 ■水だし(材料 昆布約5グラム、水3カップ)

 水に昆布を入れ、冷蔵庫で一晩置くだけ。「水からじっくり戻すことで、うま味がより引き出される」。容器はポットなど注ぎ口のあるものが便利だ。四〜五日で使い切り、もし余ったら凍らせて保存しよう。干しシイタケも水だしに向いていて、目安は水半カップに三〜四個。めんつゆや鍋物、煮物など何にでも使え、常備しておくといい。

 ■少量をすぐ欲しい時(材料 かつお節1グラム、水50ミリリットル)

 耐熱容器にかつお節と水を入れ、ラップをせずに電子レンジで一分。それを茶こしでこせば、かつおだしが取れる。ラップをすると、魚の臭みがこもってしまうので注意。耐熱容器はマグカップや茶わんでOK。味や風味は落ちるが、茶こしにかつお節を入れ、熱湯を注いでもいい。お弁当のだし巻き卵や煮物などに入れれば、味わい豊かに。

電子レンジで熱し、茶こしでこせば簡単にかつおだしが取れる

写真

 ■だしパック

 パックを水に入れて煮出すだけ。強火で沸騰させ、沸騰したら弱火で五〜六分ほどで、だしが取れる。一パック当たりの水の量や煮出す時間は商品によって違うので、説明書きを参考にするといい。しょうゆやみそなどの調味料を加える煮物などは、材料とパックを一緒に入れたままで調理しても大丈夫。市販のパックの中には塩や砂糖を含むものがあるので、味付けが濃くなりすぎないよう、注意が必要だ。

 ■材料をそのまま

 戻す際にうま味が出る切り干し大根は、戻し汁を使って煮物にするといい。アサリも煮るとだしが出るので、みそ汁にするときに他のだしは不要だ。

◆青森が「だし活」 短命県返上へ

 だしのうま味を、健康な体づくりや子育てに生かす自治体もある。

 長年、平均寿命が男女とも全国最下位の青森県は、「塩分の取り過ぎが短命の原因の一つ」と判断。二〇一四年から、「だし活」と銘打ち、だしを上手に使って減塩する運動を進めている。だしを使った地元食材のメニューや、簡単に使えるだし商品の開発、動画でのPRなどが主な内容。料理のレシピは県のホームページで見ることができる。

 人間の舌は甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の五つの味に反応する。「だし活」に携わる青森県立保健大の大野智子准教授(43)は「うま味が多いと塩味が少なくても高い満足感が得られ、塩分の取り過ぎが抑えられる」と効果を話す。

 愛知県尾張旭市は昨年から、妊産婦を対象に、だしを使った和食の料理教室を開き、好評だ。妊娠期からだしを使って塩分の少ない食生活を習慣化し、離乳食作りにも生かしてもらう。講師の管理栄養士、鈴木沙織さん(36)は「幼いうちに、だしのうま味を『おいしい』と記憶し、味覚を育てることは大切。家族で健康的な食生活を身に付けて」。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報