東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 暮らし > 暮らし一覧 > 6月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【暮らし】

嚥下食、見た目も大事 ゲル化剤利用 本来の形に成形を

ペースト状にした食材を成形した嚥下食。(左上から時計回りに)サバのみそ煮焼き魚風、ウナギの煮こごり、たこ焼き、サバのみそ煮、ちらしずし、オムレツ=愛知県清須市で

写真

 のみ込む力が弱くなった高齢者が、安全に食べられるよう調理した嚥下(えんげ)食。とろみを付けたりペースト状にしたりして、誤嚥(ごえん)や窒息を防ぐ。半面、見た目がいまひとつで、おいしそうに見えないことも。見た目をきれいにするには、どうすればよいか。専門家にこつを聞いた。 (花井康子)

 調理法を指導してくれたのは、高齢者施設を運営する西春日井福祉会(愛知県清須市)の管理栄養士で、食品栄養科学博士の小島真由美さん(55)。

 小島さんによると、誤嚥や窒息のリスクが少ない嚥下食の条件は、べたつきがない▽口の中で食べ物がまとまり、ばらつかない▽密度が均一▽口の中や喉を通るときに変形しやすい▽舌と上あごで押しつぶせる硬さ−など。べたつく度合いが高いと、口の中や喉の奥に食べ物が張り付いて、誤嚥などのリスクが増す。細かく刻むのも、口の中でバラバラになりやすい。小島さんは「とろみを付けようとして食材の上からかけただけでは、あんの部分だけを先にのみ込んでしまいがちなので、市販のゲル化剤などで固めることが大切」と、ポイントを説明する。

 今回、作ってもらったのは、サバのみそ煮(みそ煮と焼き魚風の二種類)、ちらしずし、ウナギの煮こごり、オムレツ、たこ焼き。ペースト状にしてから成形するのが作り方の基本。いずれも少しそしゃくしたり、舌と上あごで少し押しつぶしたりすれば、かまなくてものみ込めるようにする。このうちサバのみそ煮とちらしずしのレシピを紹介する。

 美しく見せるこつは、フードプロセッサーでペースト状にした後、本来の形に成形すること。例えばサバのみそ煮なら、サバの身とだし汁、ゲル化剤を混ぜ、ペースト状にして加熱した後、トレーにラップを敷き成形。少し冷やしてから切り身の形に切り、たれをかければ出来上がり。

 試食すると、食感はいずれも滑らかで、するりと喉を通った。家庭では、缶詰や既にペースト状になった市販の加工食品を使えば、簡単。成形した時点でジッパー付きポリ袋に入れると、冷凍保存も可能だ。

 小島さんは「家族は食べられると思っても、かまずに丸のみしていたり、のみ込みづらかったりすることがあるので、医療機関などで判断してもらって」と呼び掛ける。二年ほど前から、施設の利用者に本格的に見た目にこだわった嚥下食を提供している。季節感を大切にし、ひなまつりなど行事に合わせた料理も作る。「見た目のきれいな食事は食欲が湧き、家族と同じものを食べられる喜びも感じられる」と話す。

◆ちらしずし

【材料・1食分】

軟らかく炊いたご飯 150グラム

A(酢8グラム、砂糖5グラム、塩1グラム、とろみ剤少々)

市販のネギトロ 60グラム

めんたいこ 30グラム

イクラ 20グラム

トビッコ 10グラム

トンブリ、アサツキ 各少々

【作り方】

<1>ご飯が熱いうちにAを混ぜ合わせる。

<2>(1)が冷めたら、上に具材を盛り付ける

(市販のネギトロは脂分が高く、のみ込みやすい)

◆サバのみそ煮

【材料・2食分】

サバのみそ煮缶 150グラム

だし汁 75グラム(具の50%)

ゲル化剤 1.5グラム(具の1%)

とろみ剤 適宜

【作り方】

<1>缶詰の具と汁を分ける

<2>フードプロセッサーにサバ、だし汁、ゲル化剤を入れてペースト状にする

<3>(2)を鍋に移し、85度以上になるように加熱する

<4>トレーに敷いたラップに移し、成形して冷蔵庫で冷やす

<5>(4)を器に盛り付け、(1)で分けた汁にとろみ剤をかき混ぜながら、少しずつ加えてかける

<6>食べる直前に電子レンジで10〜20秒温める

※焼き魚風は、たれをかけずにバーナーで表面を焦がす

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報