東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 暮らし > 暮らし一覧 > 7月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【暮らし】

パパの育児ストレス解消を 精神科看護協会が男性向け冊子

日本精神科看護協会が作った冊子「パパカード」

写真

 共働き世帯が増え、男性が子育てにより関わるようになった。だが育児に積極的になる分、ストレスや悩みをため込む男性も。そんな中、「お父さんも自分を大事にしよう」と呼び掛ける冊子が登場。父親としての心構えやストレス解消法などメンタル面に着目した編集が、従来の育児マニュアルとは一線を画していると注目を集めている。 (寺本康弘)

 東京都内の人材サービス会社で働く男性(30)は、同じ会社に勤める妻(32)、二歳と生後七カ月の二人の息子と暮らす。男性は、次男が生まれた時は一カ月間の時短勤務にし、現在も長男の朝の準備と保育園への送りを担当。妻と分担しながら育児を担っている。

 「子どもは好き」だが、いら立つ時もある。朝の着替えで、長男がパジャマを脱ぐのを泣いて嫌がる日がある。感情に火が付いた長男は言うことを聞かない。普段は冷静な男性も仕事などでストレスがたまっていたら心穏やかでいられない。「手をあげたことはなくても、そうする親の気持ちが分かるときもある」

 育児マニュアル本や両親教室の浸透などで、積極的に子育てする男性が増えている。しかし、育児に伴う男性の悩みやストレスはさほど注目されていない。

 看護師でつくる日本精神科看護協会(東京)は四月、子どもが生まれる前後の父親向けに冊子「パパカード」を作った。冊子は「お父さんになるんですね。おめでとう!」「お父さん、一緒にお話しましょう」「お父さんも自分を大事にしよう」「子どもの安全と安心のために」と四タイプある。いずれもA5判大で八ページ。

 冊子は、父親としての心構え、心の準備、育児ストレスなど精神面に焦点を当てたのが特徴。「話を聞いてくれる人はいますか」「仕事で疲れきってはいませんか」など、心と体の調子を探るリストも掲載。泣きやまないなど育児ストレスを招きやすい場面を例示した。

 また「あるべき父親像」にとらわれないコツや考え方にも触れた。「子どもは、完璧なお父さんが必要なわけではありません」と過剰なプレッシャーを感じないようアドバイス。負担を抱え込みすぎないよう「子どもや家族から少しだけ離れて、環境を変えてみることも、ときには大切です」とやさしく寄り添う言葉も選んだ。過度の飲酒は「子どもの信頼関係に悪い影響を与えます」とも指摘した。

 冊子は北欧のフィンランドで家庭内暴力(DV)被害者を支援する団体が開発したものを基に、働き方など日本の実情に合わせて看護協会が作った。心が安定した状態での子育ては子どもに安心感を与え、児童虐待の予防にもつながると協会は期待を寄せる。

 協会の業務執行理事草地仁史さん(43)は「夫婦で会話したり、自分を振り返ったりして、お父さんが無自覚だった育児のストレスや不安を認知するきっかけになる」と話す。

 JA高知病院(高知県)は今月、妊婦の夫に、助産師が冊子を使って、父親になる気持ちの準備を手伝う活動を始めた。副院長の松永智香さん(57)は「お父さんの気持ちが楽になれば、お母さんと子どもにもよい環境になることが期待できる」と指摘する。静岡県清水町は母子手帳と一緒に、この冊子を配る予定。

 冊子は協会のホームページからダウンロードできる。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報