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【暮らし】

<考えようPTA>会議に出るのは大変… LINEなど活用して 集まらずに活動

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 「家庭や仕事の事情がさまざまで、集まる曜日や時間帯を決めにくい」「子どもを留守番させて長時間の集まりに出るのは大変」−。学校や園のPTAに関わる保護者からは、会議にまつわる不満の声をよく聞く。最近は誰でも使えるITツールを活用して、「集まらない活動」を目指すPTAもある。実現させた2人の会長に話を聞いた。 (今川綾音)

 「一回も集まらずに済んだなあ」

 千葉市立幸町小で六月に開かれた運動会。同小でPTA会長を五年務める安藤直裕さん(51)は、感慨深い思いを抱いた。毎年、運動会ではPTA競技の運営や、教職員だけでは手が回らないパトロールをPTAで担っている。その打ち合わせのために、会議を開かずに当日に臨めたのは初めてだった。

 「集まりゼロ」が実現したのは本年度、役員や委員の情報共有や意見交換のためにチャットサービス「LINE WORKS(ラインワークス)」を導入したことが大きかったという。

 これまでもグループをつくってやりとりできるツールを使ってきたが、パソコンでしか使えなかったため、「使える人や時間帯が限られていた」(安藤さん)。スマホでも使えて、保護者の多くがなじんでいる無料通信アプリ「LINE(ライン)」に使い勝手が近いラインワークスを使うことにした。

 導入後は、書き込みへの心理的なハードルが下がり、意見が活発に飛び交うように。子どもたちの熱中症対策など、PTAとして学校に求める対応についても議論を深めた。

 いつでもどこでもやりとりできるだけに、深夜から早朝にかけてはお互いに連絡を控えることをルールにした。スマホを使っていない数人には、親しいメンバーからこまめに話し合いの内容を伝えている。

 運動会の打ち合わせも含め、例年夏休み前に最低四回開いていた会議は本年度、一回だけだった。安藤さんは「活動の負担を減らしていくことは、本部役員の役目の一つだ」と話す。

 兵庫県西宮市立今津小PTA会長の杉浦一洋さん(43)も、ITを活用し、会議の負担を減らしている。

 会議の場で紙で配っていた資料をインターネットのクラウドに置いて、ラインで確認してもらうことに。資料に基づき説明するだけのような会議はなくし、年十回あった会議のうち半数は「集まらない会議」にできそうだ。さらに広報などの各委員会から三人ずつとしていた会議への出席も本年度は一人でOKとした。

 杉浦さん自身、転勤で今は東京に単身赴任中だが、他の役員とラインで連絡を取り合いながら、会長を務めている。普段のやりとりを簡素化する一方、活動の中核となる役員七人が集まる機会は残した。必要な場合には、週末に一時間ほど対面で議論する。「顔を合わせて信頼関係を築いてこそ、組織改革も進めていける」と考えている。

 『PTA再活用論』(中公新書ラクレ)の著者で、二〇〇七年から二年間、小学校のPTA副会長を務めた川端裕人さん(55)は「当時は、ITツールは『使える人が限られる』と導入が進まなかった。今は誰でも使いやすいツールを活用できる」と効率化の取り組みを評価する。一方、「PTAの問題の本質は、やりたくない人もやらされていること。効率化の取り組みをさらに進めて、この部分の議論を深めてほしい」と話している。

 

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