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【暮らし】

あなたの抱っこ 大丈夫? 正しい姿勢知って 親子ともに心地よく

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 赤ちゃんを長時間抱っこすることで、腰や肩を痛める保護者がいる。正しい姿勢でないことも原因の一つだが、保護者側が負担に感じる抱き方は、実は赤ちゃんにも負担をかけ、歯並びに影響する可能性もあるのだという。親も楽で、赤ちゃんも心地よい抱っこを教える講座を訪ねた。 (今川綾音)

 「みんなの抱っこは腰が反って、おなかが出てるから、赤ちゃんも後ろに反り返って苦しいの」「猫背だと赤ちゃんが体から離れちゃう。肩を後ろに引いて自分の体とくっつけて」

 七月下旬、さいたま市で開かれた抱っこ講座。赤ちゃんの抱き方や親の心構えなどを発信する一般社団法人「育母塾」(東京)の代表・辻直美さん(49)が、六カ月未満の赤ちゃんを向き合う形で抱っこする親の姿勢の崩れを指摘した。

 対面、前向き、横向き。正しい抱き方になると、むずかっていたのに泣きやむ赤ちゃんも。親たちは口々に「いつもと違って赤ちゃんがリラックスしている」「抱きやすくて体重が軽く感じる」と話し、表情が明るくなった。

 辻さんによると、抱っこする側のポイントは、体幹を意識した正しい姿勢。まず横から見て、耳・肩・腕が一直線になるように立つ。猫背や反り腰だと赤ちゃんの体がフィットせず、双方に余計な力がかかる。

 抱える腕に隙間があると赤ちゃんは不安になる。脇を締めて「前ならえ」をし、その幅を保った状態で抱くとよい。赤ちゃんの重みで腕を下げたり、抱っこひもの調節が不十分だったりして赤ちゃんの位置が低くなると、重心が下がって負荷が大きくなる。首から胸元のあたりに頭がくるように抱っこすると安定する。赤ちゃんの背中が緩やかなカーブを描くように、体に程よくくっつけて抱く。抱っこひもを使う際も同様の注意が必要だ。

 正しい姿勢でないために、首が後ろに倒れ、口が開いた状態で抱かれて寝ている赤ちゃんも多い。この姿勢が日常化すると、歯列形成に影響するという。

 「赤ちゃんの抱っこの仕方は、歯並びや口周りの筋肉といった口腔(こうくう)育成に大きく関係する」。さいたま市のホワイト歯科クリニックの統括マネジャーで、歯科衛生士の新井美紀さん(52)はこう指摘する。同クリニックは二〇〇六年から、乳幼児親子を対象に子育てサポートを行っている。

 口腔の育成には、乳幼児期に上顎の天井を舌で押して圧をかけ、上顎を広げるプロセスが必要だ。しかし抱っこ時に首が後ろに倒れた赤ちゃんは頸椎(けいつい)が引っ張られ、舌を支える骨も引っ張られ舌が下がる。この状態だと上顎が広がらず、下顎も育たない。口腔内は狭くなり、きれいに生えずに前後に押し出される歯も出てくるという。

 新井さんのクリニックではこの十年、本来はあるはずの「乳歯の隙間」がない子が増えている。「乳歯の時は歯並びがきれいに見え、親も問題視しない。でも乳歯に比べ大きい永久歯が生える十分なスペースが確保できていないと、生え替わりの時に歯並びがガタガタになる」

 また、頭が後ろに倒れ口が開いた状態が長いと、口周りの筋肉「口輪筋」が十全に発達せず、滑舌にも関わってくる可能性がある。

 

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