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【暮らし】

ペットと入る墓が人気 霊園や寺…広がる参入

愛犬2匹が眠るお墓に手を合わせる吉川順子さん=東京都八王子市の八王子メモリアルパークで

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 ペットと一緒にお墓に入りたい−。そんな飼い主の要望に応える霊園や寺が、人気を集めている。ペットを家族同然に大事にする人が増える中、墓石にペットの写真を刻むなど、墓のあり方も多様に。都市部を中心に、供養への考え方も変わってきているようだ。 (河野紀子)

 墓石に、二匹の愛くるしい犬の写真が焼き付けられたセラミック板が光る。花を生ける部分には犬の足跡の形も彫り込まれ、正面には「感謝して忘れない」という意味の「感佩(かんぱい)」の文字が刻まれている。

 八月下旬、東京都八王子市の八王子メモリアルパークの芝生墓地の一角で、自営業の吉川順子さん(47)=東京都三鷹市=が花と水、ドッグフードを供えて線香を上げ、手を合わせた。

 二匹は、メスのシェパードの「メリー」と、オスのブルドッグの「ダッシュ」。ともに十三年前に飼い始め、それぞれ五年前と二年前に死んだ愛犬だ。墓には二匹の遺骨が眠る。

 自宅から車で一時間半ほど。夫やすでに独立した二人の子どもたちと連れ立ち、三カ月に一度ほど墓参りに来る。将来は夫婦二人で、この墓に入るつもりだ。

 「子どもと同じくらい愛情をかけ、長い時間を一緒に過ごしてきた。家族同然で、ペット霊園に埋葬するより、同じ墓にと思った」と吉川さん。ダッシュの病死後に建て、自宅に安置していたメリーの遺骨とともに納めた。

 二・五平方メートルの区画で、費用は約二百三十万円。最初は自宅近くの霊園を探したが、ペットと一緒に入れる墓はなく、インターネットで見つけた。

 墓は仏事関連総合サービス「メモリアルアートの大野屋」(東京都新宿区)が販売。「ウィズペット」と銘打ち、園内の九区域のうち一区域で動物の焼骨を受け入れている。

 二〇〇三年、東京都町田市の民間霊園で販売を始めると、希望が相次ぎ、今年八月に十一カ所目のウィズペットの販売を開始。これまでは民間業者の霊園だけだったが、今回は都内の寺が所有する檀家(だんか)用の墓地の一角で、檀家でなくても購入できる。

 大野屋は十一カ所合わせてこれまでに計千区画を売り出し、約半数が売れた。他社も参入し、同様のサービスが増えているという。

 ペットの死骸は廃棄物処理法上「一般ごみ」として扱われ、人間のような埋葬許可は不要。仏教では動物を「畜生」とし、人間と動物を同じように供養できないとする考え方もあり、自宅の庭に埋葬したり、専用霊園で供養したりしていた。

 大野屋によると、ブームや少子化の影響などでペットへの愛着が強まり、室内で飼い、家族の一員として接する人が増加。「死後の供養も一緒に」という人が増えている。葬儀関連サイトを運営する「鎌倉新書」(東京都中央区)が毎年実施している意識調査でも三年ほど前から自由記述で、希望する声が増えてきたという。

 ペット供養を行うお寺や業者でつくる日本動物霊園連合(名古屋市)理事長の久喜清外(せいがい)さん(73)によると、自身が住職を務める名古屋市南区の長楽寺の霊園でも要望が増え、七年前から受け入れを開始。寺が親族に代わって管理し、将来合祀(ごうし)する永代供養墓に人間と同時に埋葬することが条件で、これまでに十件の予約があった。実際に埋葬された人はまだいないが、問い合わせも多く、ホームページでも紹介している。

 久喜さんは「動物も人間と同じ命ある生き物。希望があれば、一緒に埋葬して手厚く供養する」と話す。

 

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