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【暮らし】

女性に多発、外反母趾 痛みが出る前に対処

重度の外反母趾患者の右足。親指がくの字に変形し、人さし指や中指の下に入り込んでいる(大関覚主任教授提供)

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 ヒールのある幅の狭い靴を履き続けるなどして、足の親指(母趾(ぼし))が体の外側にくの字に曲がる外反母趾。患者の九割が女性で、特に二十〜三十代の若い人が多い。放置すると歩けないほど痛みがひどくなるケースも。最近は、職場でヒール靴を強要される苦痛からの解放を訴える「#KuToo(クートゥー)」運動も広がっている。痛みが出る前に足の指の運動などの対策を取りたい。 (河野紀子)

 患者の多くは、足の親指の付け根が腫れ、靴を履いた時に痛みを感じるようになって初めて受診する。エックス線撮影で、親指の骨が小指側に二〇度以上曲がっていれば外反母趾。次第に素足で歩いても、あるいは何もしていない時でも痛みを感じるようになる。

 「ハイヒールのように先が細い靴を履く女性は、対策を取らないと外反母趾になりやすい」。日本足の外科学会理事長で、独協医科大埼玉医療センター(埼玉県越谷市)整形外科の大関覚主任教授(64)は注意を呼び掛ける。ヒールの高い靴は、細い靴の先に指が押し込まれて圧迫されるだけでなく、体を支える親指の付け根にかかる力も大きいためだ。

 一方、ヒール靴を履かない人や子どもが発症する例も。土踏まずがつぶれている扁平足(へんぺいそく)の人は、体重がかかった時に足の幅が広がる分、爪先がすぼまって親指が小指側に曲がりやすい。親指が人さし指より長い人や、足指の関節や靱帯(じんたい)が軟らかい人も、靴の影響を受けやすく要注意だ。

 心配なら次の方法で確認しよう。素足になって「パー」の形をつくる。手で「パー」をつくった時と同じように、足の親指が外側に開けば大丈夫。だが、動かないなら既に変形が始まっていると考えた方がいい。

 症状を改善するため、大関主任教授が勧めるのは、靴を変えることと、足指の運動だ。

 靴は、足の甲とかかとをしっかり固定できるスニーカーがお薦め。歩く時に足が前に滑ったり、かかとが脱げたりすることがない。サイズは、爪先部分に指一本分の余裕がある靴を選ぼう。足は夕方になるとむくむからだ。さらに、土踏まずを持ち上げて足のアーチを矯正する中敷きを使うといい。

 足指の運動は、変形して硬くなった関節をほぐしたり、筋肉を付けたりすることで指を正常な位置に保つことが目的。指を「パー」に開いて十秒間保つ運動や、床に置いたタオルを両足の指を使ってたぐり寄せる運動がある。ともに十回一セットで、一日三セットが目安だ。仕事などでどうしても先の細い靴を履かないといけない場合は、中敷きを使い、脱いだ後、この運動をしっかりやろう。

 「外反母趾ぐらいと軽く考える人が多いが、歩くのが苦痛になれば生活の質は大きく下がる」と大関主任教授。重症化すると、足の親指が人さし指の下に入り込んで歩くことさえできない。最終的には、親指の付け根にある骨の一部を削り取り、形を矯正する手術などが必要になるが、痛みが消え、普通に歩けるまでには数カ月間かかる。「痛くなってからでは遅い。軽症のうちに変形に気付くことが大事」と説明している。

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