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【暮らし】

幼児にタピオカ 要注意 勢いよく吸い、喉に詰まるおそれ

ブームとなっているタピオカドリンク。大粒のタピオカが特徴だ

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 若者を中心にブームのタピオカドリンク。専門店のほか、商品やメニューに取り入れるレストラン、カフェも増えている。タピオカは大粒で、もちもちした食感が特徴だが、かんだり、飲み込んだりする力が未発達の幼児や児童がドリンクを飲むと、誤って喉に詰まらせるおそれも。メーカーも注意喚起しており、安全な飲み方を心掛けたい。 (添田隆典)

 「おいしそうに飲むなと思ったら、突然吐き出したので心配になった」

 川崎市の会社員女性(35)がヒヤリとしたのは七月。小学三年の長男(8つ)と一年の次男(6つ)とスーパーでタピオカ入りのミルクティーを買って飲んだ。次男がタピオカドリンクを飲むのは初めて。女性や長男が飲むのを見て、ねだった。

 次男はストローで勢いよく吸うと、すぐにむせた。タピオカを吐き出し、大事には至らなかったが、かまずに飲み込もうとして喉に詰まらせたとみられる。長男はこれまでむせずに飲むので、女性も意識が及ばなかった。「次男にはまだ早かった」と反省する。

 タピオカはイモの一種、キャッサバが原料。カラメルなどで黒に着色し、固めてゆでる。粒の大きさは直径一センチ前後。店によってタピオカの弾力や粒の大きさも異なるが、ミルクティーなど甘い飲み物に入れ、太いストローを使って飲む。

 耳鼻咽喉科の医師で、子どもの気道に異物が詰まる事故に詳しい津市の坂井田(さかいだ)麻祐子さん(44)は「タピオカの粒が、子どもの喉を詰まらせる原因になり得る」と指摘する。

 喉の奥は食べ物が通る食道と、息を吸ったり吐いたりする気管の二つに分かれる。食べ物が誤って気管に入る(誤嚥(ごえん))ことのないよう、飲み込むタイミングに合わせ、気管の入り口(喉頭(こうとう))に「ふた(喉頭蓋(がい))」がされる。

 しかし、飲み込むタイミングを意識できない速度で一気に食べ物が入ると、気管にふたがされずに誤って食べ物が入って詰まり、窒息する時がある。

 坂井田さんによると、大人は吸い込む力を調整し誤嚥を防いでいるが、幼い子どもは勢いよく吸い込む傾向があり、気管をふさぐリスクが高い。加えて、子どもは気管の入り口が狭く、小学生の直径は一センチほど。平均的なタピオカとほぼ同じで、詰まりやすい。

 また、タピオカは表面がつるつるし、食感ももちもちで子どもの歯ではつかまえづらく、細かく砕くのは難しい。名古屋市の小児歯科医師、師田(もろた)衣理さん(52)は「ストローを深くくわえると、喉に直接入り込みやすい。まだ乳歯が生えそろっていない子どもは、タピオカを食べることも控えた方がいい」と話す。

 国民生活センターによると、実際にタピオカを喉に詰まらせた事故は報告されていない。ただ、メーカーも注意喚起している。大手コンビニ向けにタピオカドリンクを製造している安曇野食品工房(長野県松本市)はドリンクの容器に、勢いよく吸い込むと、のどに詰まるおそれがあり、幼い子どもや高齢者は控えてほしいと自主的に記載。首都圏や中部、関西に専門店を構える「パールレディ」の容器にも、よくかんで飲むよう、ただし書きされている。

 坂井田さんは、幼児がタピオカドリンクを飲む際の注意点として、「ストローは勢いよく吸い込むことがあるため、大人がスプーンに取り分けて一粒ずつよくかんで食べさせるのが安全」と指摘。また、歩き回ったり、おしゃべりしたりして食べることに集中していないと喉に詰まらせやすいといい、周りの大人が目を離さず、いすに座らせるなど飲み歩きさせないことが大事という。

 小学生以上でも、飲み歩きは危ないため、席について楽しむこと。ストローは浅めにくわえた方が安全だという。

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