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【暮らし】

<家族のこと話そう>姉と無二のハーモニー ソプラノ歌手・山田麗さん

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 二卵性の双子の姉、華(はな)は生まれた時、体重が三〇〇〇グラム以上あり、続いて生まれた私は逆子。母は妊娠中から体調がすぐれず、命がけの出産でした。年の近い兄が二人いるので、産後、母は手も足も全部使って子どもをあやしたそうです。

 がんと診断されていた祖母は母を支えなければと、自身の手術を遅らせてまでも、出産や子育てを手伝いました。父もとても協力的。いろんな人に守られ私たちは育ちました。

 双子は姉、妹の関係をあまり意識しないといいますが、よく「典型的な姉妹」と言われます。華はしっかり者で器用。何でもパパッと済ませます。私は何をやるにも時間がかかります。でも華についていけば、目的地につくし、遅刻もしないので大丈夫。天真らんまんと言われるのは、華がいてくれるから。私が姉に片思いしている感じです。

 私たちの一番の遊びは歌。音感が良かったので、三〜四歳ごろから、テレビで流れる音楽や学校などで習った曲から、横断歩道や風の音まで、何でも歌にしていました。双子の歌手というと、同じ声で同じように歌う一卵性双生児が一般的。でも私たちは二卵性で声質が違います。華は繊細で優しい声、私は芯の太い声。下のパートを歌う私の上に、華がふわっとのっかり、ハーモニーが広がっていくのがおもしろかったです。

 今でも、違う声同士がぴったりはまり、一人で歌う時と違う声質が生まれた瞬間は、電気がビビビッと流れたような感覚になります。ほかの人ではこうはなりません。私たちも不思議です。コンサートでも息づかいだけで相手のしたいことが分かります。お互いに唯一無二の存在です。

 母はクラリネット奏者。会社員の父が趣味でクラリネットを始めて、母の教室に通い知り合ったそうです。両親は普段からすごくラブラブ。今でも、父は有給休暇を取って母と旅行しては、私たちにたくさんの写真を送ってきます。家族みんな仲良しで、この家族の一員であることが私の自慢です。

 今年九月、結婚しました。彼は四歳離れた上の兄の中学以来の親友で、母同士も当時からママ友。彼と初めて会った時から安心感しかなくて、多分この人と結婚すると感じました。自分が育ったような家族を自分も作るのが、小さい頃からの夢でした。家族を持ち、自分の心や環境が変われば、華とのハーモニーも変わっていくと思います。未知の世界が歌でどう表現されていくのか、これから楽しみです。

 聞き手・砂本紅年/写真・稲岡悟

<やまだ・れい> 1991年、神奈川県逗子市生まれ。国立音楽大声楽学科(当時)、およびオペラ・ソリストコースを首席卒業。2017年、双子の姉、華(はな)さんとソプラノデュオ「山田姉妹」としてデビュー。11月16日、神奈川県平塚市でコンサート「次世代に残したい〜日本の名曲・童謡・唱歌からオペラまで〜」を開く。

 

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