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【暮らし】

広がる「メディカルフィットネス」 医療と連携、健康づくり

健康運動指導士の加藤真裕さん(中央)と談笑しながら、エアロバイクをこぐ男性(手前)=名古屋市緑区の南生協病院内の「フィットネスクラブウィッシュ」で

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 中高年を中心に、日常の運動に医療的な要素を取り入れた「メディカルフィットネス」が広がっている。医療機関などが運営するフィットネスクラブで、理学療法士ら専門家が指導。健康状態に合わせた無理のないプログラムを提供し、病気の再発や生活習慣病の予防、関節痛の改善などにつなげている。 (河野紀子)

 「調子はどうですか」

 名古屋市緑区の南生協病院に併設された「フィットネスクラブ ウィッシュ」。九月中旬の午後、マネジャーで、「健康運動指導士」の資格を持つ加藤真裕さん(39)が、エアロバイクをこぐ男性(77)に声を掛けた。

 健康運動指導士は、保健医療関係者と連携し、安全で効果的な運動を実施するプログラムの作成や実践を指導する専門家。公益財団法人「健康・体力づくり事業財団」が認定している。

 男性はメタボ健診で腹囲が基準を超え、中性脂肪の値も高かったため九年ほど前から通うように。週二回、エアロバイクのほかウオーキングと筋トレを実施。今ではメタボも解消し、体調もいいという。「専門家にみてもらえるので、安心して取り組める」と喜ぶ。

 ウィッシュは、同病院が二〇一〇年に新築移転した際、「地域住民の健康づくりの場」として設立。会員制で現在、中高年を中心に約七百人が利用する。

 一般のスポーツジムと違うのは理学療法士や健康運動指導士が、利用者をサポートすること。面接して健康や体力の状態に合った一人ずつのプログラムを作成し、心疾患や腰痛などの持病がある人には、医師の診断書を基に作る。実際のトレーニングでも、歩き方や姿勢が足腰に負担を掛けていないかなどを見守る。食事面を助言する管理栄養士もいる。

 利用者には同病院の退院患者も多く、一般的な運動マシンのほか、車いすの人が上半身の筋力を鍛えたり、骨粗しょう症の人が高速の振動で骨に負荷をかけて骨密度を上げたりできるマシンもある。

 昨年五月から週二回のペースで通う同市緑区の女性(80)も元入院患者の一人。二年前に急性心筋梗塞を発症し、同病院でカテーテル治療を受けた。再発予防には「適度な運動が有効」と言われたが、何をどこまで行っていいのか分からず、不安だったという。

 ウィッシュでは診断書を基に心拍数が上がりすぎないよう有酸素運動を中心にしたプログラムを作成。筋トレや初心者向けのヨガも取り入れた。女性は「心臓に負担をかけすぎてもいけない。ここなら体力に合った運動を教えてもらえるし、同世代の仲間もできて楽しい」と笑顔を見せる。

 加藤さんは「高齢になって足腰に痛みが出たり、持病があると、運動しなくなり、体力が落ちてしまう。生活習慣病や介護予防のためにも、適度な運動が必要」と話す。

 日本メディカルフィットネス研究会(東京)によると、健康意識の高まりを受けて同様の施設は〇〇年ごろから増え、現在、全国で約四百二十カ所。医療機関と連携したスポーツジムが認知症予防や糖尿病患者向けの運動プログラムを提供しているケースもあり、形態はさまざまという。

 担当者は「高齢者にとっては、医学的知識のあるスタッフがサポートしてくれれば、フィットネスに通うハードルは下がる」と話す。

 

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