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【暮らし】

水災補償付きか確かめて 台風・豪雨 火災保険が頼り

スマートフォンのアプリ「LINE」で被災状況の連絡を受け、保険金算定の手続きをしているやりとりの画面(損保ジャパン日本興亜提供)

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 記録的な大雨と河川の氾濫などで、東日本を中心に広範な浸水・洪水被害を引き起こした台風19号。近年は各地で台風や集中豪雨による被害が相次いでおり、自宅の水災を補償する火災保険や共済の重要性が高まっている。既に加入している人も補償内容や範囲をチェックし、必要に応じて見直したい。 (砂本紅年)

 「国や自治体の公的支援は限られている。自宅の火災保険に水災補償が付いているか確認を」。災害時の補償に詳しいファイナンシャルプランナーの清水香さん(東京)は呼び掛ける。

 被災者生活再建支援法には、都道府県が設けた基金からの支援金制度がある。全壊した自宅を新築・購入した場合は最大三百万円が支給されるが、建設費を賄うには不十分。一メートル未満の床上浸水などでは、支援金が出ないこともある。

 また、災害救助法は発災後の応急修理に対応。大規模半壊または半壊の世帯に、台所やトイレなど日常生活に必要な部分の修理費として最大五十九万五千円が支給される。ただ、半壊の場合は収入制限がある。

 このため、民間保険で備えることが大事だ。近年の火災保険には、台風による水災や風災も補償する契約プランもある。建物の構造や保険期間などにもよるが、保険料は二〜五割程度高くなることもあり、内閣府の調べでは、二〇一五年度、持ち家世帯で水災付きの火災保険などに加入している割合は66%だった。

 山や川から遠く、ハザードマップ上では危険性の少ない場所でも安心できない。「想定外の水災はどこでも起こり得る」と清水さん。例えば局地的なゲリラ豪雨などで下水があふれて損害を受ける恐れも。マンションの上階でもベランダの排水が追いつかず部屋に浸水し、床暖房などが壊れる可能性もある。

 水災補償は床上浸水、土砂崩れ、土石流、高潮などによる損害が対象。風災は強風、竜巻などで屋根が飛ばされたり、窓ガラスが割れたりした時などに補償を受けられる。

 近年は、被災した建物と同等のものを新築・購入するために必要な金額「再調達価額」を補償する契約が主流。古い保険は経過年数で価値が下がる「時価」契約もあり、補償額が新築費に足りない可能性がある。

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 対象が建物のみだと、家電や家具などは補償されず、出費も多額に。対象は家財まで広げておきたい。車の水没などは、自動車保険の車両保険から保険金が支払われる。何が必要かを考え、清水さんは「適宜、補償の見直しを」と勧める。

 保険会社の実地調査までに時間がかかることもあり、被災直後の状況を写真などで撮影しておくことも大切。スマートフォンのアプリ「LINE(ライン)」で写真などを送り、手続きができる保険もある。

 被災した場合、確定申告で所得税の軽減や免除が受けられる制度が二つあり、どちらかを利用できる。

 一つは雑損控除。住宅や家財など生活に必要な資産が損害を受けたとき、保険金で補填(ほてん)された金額を除いた一部を給与所得などから差し引ける。もう一つは災害減免法。住宅や家財の時価の二分の一以上が損失したら、直接税金を軽減、免除してもらえる。

 被害額が大きく、所得から控除しきれない場合、原則三年間繰り越して各年分から差し引ける雑損控除が有利なケースが多そうだ。

 

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