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【暮らし】

痛くてつらい五十肩 早め服薬、リハビリを

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 強い痛みが出て腕を動かしにくくなる五十肩。加齢が関係していて、四十〜五十代で発症することが多い。重症化すると手術が必要になる例もあるため、早めに投薬や運動療法といった治療を受けることが大切だ。 (河野紀子)

 正式な病名は肩関節周囲炎。肩関節を覆う袋状の組織、関節包が加齢で硬くなり、肩を動かした時に細かな断裂が生じ、炎症が起きることが主な原因とされる。腕を上げにくくなり、やがて安静にしていても痛みを感じるように。四十〜五十代の2〜9%がかかるとされ、男女の差はない。利き腕に限らず、両肩とも発症する人が一〜二割を占める。治療を受けなくても数カ月で治る人がいる一方、肩凝りと勘違いしたり放置したりして回復までに五年以上かかるケースもある。

 発症のきっかけは、車の運転席から後部座席の物を取る、落とした物を拾おうと無理な姿勢で腕を伸ばすといったちょっとした動作。こうした時に軽い痛みを感じ、その数日後に激しく痛んで五十肩と診断される例が目立つ。「痛いから」と動かさずにいると、さらに動きが悪くなる。「強い痛みが治まってきたら、可動域を少しずつ広げる運動療法を」と日本肩関節学会副理事長で、あさひ病院(愛知県春日井市)スポーツ医学・関節センター長の岩堀裕介医師(58)は言う。

 必要な治療は、急性期、拘縮期、回復期の三段階で異なる。発症から一〜二カ月の急性期は痛みが強く眠れない人もいるほど。この時期は痛みを取る注射や投薬が中心となる。肩関節周辺の筋肉をリラックスさせる、理学療法士によるリハビリも有効だ。

 発症から二〜六カ月の拘縮期に入ると痛みが弱まる半面、急性期より腕が動かしにくくなる。無理のない範囲で肩関節の可動域を広げる運動療法を取り入れるといい。同時に、硬くなった関節包に局所麻酔剤を打って膨らませ、動きを改善させる治療も効果がある。

 拘縮期に運動療法も注射なども効果がない場合、内視鏡手術が必要だ。全身麻酔をした上、電気メスで関節包を切除、新たな関節包の再生を促す。手術に至るのは全体の1%ほどだが、一週間の入院が必要になるなど患者の負担は重い。

 発症後六カ月以上が過ぎた回復期は痛みがほとんど消え、肩の動きも良くなる。注射などの治療はせず、運動療法でさらなる回復を目指す。どの時期も運動療法は症状の改善に役立つが、やり方を間違えると痛みが悪化することも。岩堀医師は「医師や理学療法士の指示に従って」と話す。

 普段の生活で予防を心掛けることも大切。例えば、高い所の荷物を取る時は踏み台を置いて腕を伸ばしすぎないよう注意すると、肩にかかる負担は軽くなる。特に、糖尿病の人は、血糖値を薬でコントロールしていても、関節包が硬くなりやすいため注意が必要だ。岩堀医師は「五十肩は個人差が大きいが、適切な治療や運動療法をすれば改善が期待できる。肩疾患に詳しい整形外科を受診して」と呼び掛ける。

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