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【暮らし】

<食べきりのすすめ>きょう「食品ロス削減の日」 自治体で取り組み拡大

料理を食べきり、アプリ「クルポ」でQRコードを読み取ると、蓄積ポイントとCO2削減量が表示された=浜松市の「炭焼きレストランさわやか」浜松和合店で

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 きょうは、一日に施行された「食品ロス削減推進法」が定める「食品ロス削減の日」。同法では、自治体に、どうやって食品ロスを減らすのかを具体的に定める推進計画の策定が求められる。外食で食べきった場合にポイントがついたり、宴会で食事に専念する時間を設けるよう促したりするなど、すでに取り組みを進めている自治体もある。 (河郷丈史)

 静岡県内で三十三店舗を展開するご当地ハンバーグ店「炭焼きレストラン さわやか」の浜松和合店(浜松市)。ボリュームたっぷりのランチを食べきり、レジ脇のステッカーにあるQRコードをスマートフォンで読み取ると、「1ポイント獲得しました」とのメッセージと、「CO2削減量 0・016kg」という数値が表示された。

 同店は、静岡県などでつくる実行委員会が昨年六月から配信するアプリ「クルポ」の協力店の一つ。協力店は県内を中心に六百三十五店あり、料理を完食するたびに一ポイントがたまり、三十ポイントごとに抽選で商品券などが当たる。忘年会や新年会が多くなる十二月と一月はキャンペーン期間で三ポイントにアップする。

 運営事務局の静岡県地球温暖化防止活動推進センターなどによると、開始以降、アプリを使った回数は一カ月に三百〜四百回で推移していたが、ヤマハや中部電力の支店など、複数の県内事業所の社員食堂も運動に加わった今夏以降は毎月千回を超えるペースに。来年からはフードバンクに食料を持ち込んだ場合もポイント対象に加わる見通しで、スタッフの酒井静香さん(43)は「アプリを通じて、食品ロスの意識が少しでも高まれば」と話す。

 長野県松本市は、宴会での食品ロスを減らそうと、二〇一一年から「30(さんまる)・10(いちまる)運動」を進めている。乾杯後の三十分間と終了前の十分間は席に戻って料理を楽しむよう、幹事から参加者に呼び掛ける取り組みで、協力する事業所を市が認定。これまで金融機関や建設会社など九十六事業所が認定されている。現在は国や各地の自治体も運動に加わり、食品ロス削減の日の由来にもなった。

 法律に先立ち、京都市は食品ロス削減をうたう独自の「しまつのこころ条例」を一五年に施行。飲食業者や小売業者には食べきれなかった料理の持ち帰りへの対応や、賞味期限の近い商品の見切り販売の実施などの努力義務がある。一定規模を超える事業者には、取り組み状況の報告義務も課している。

 食品ロス削減の機運が高まる一方、消費者庁によると、何らかの取り組みをしている市町村の割合は昨年度、全国の六割にとどまる。先進的な取り組みを紹介し合い、裾野を広げる動きも始まっている。

 全国の自治体に先駆け「食べきり運動」を進めてきた福井県の呼び掛けで、一六年に発足した「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」(事務局・福井県)は、各地の取り組みをインターネットで見られる「施策バンク」を毎年作成。現在、全都道府県と三百六十一の市区町村が参加し、情報共有を図るほか、新たにロス削減に取り組む自治体の職員が先進事例を学ぶなどする「食べきり塾」も開いている。

 協議会事務局を務める福井県循環社会推進課の松田祐民子さん(44)は「先進的な事例やノウハウを共有し、自治体の理解を深めていきたい」と話している。

 

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