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【暮らし】

<どうする相続>「デジタル遺産」リストに 情報を家族に残す

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 十月からの消費税増税でキャッシュレス決済によるポイント還元が始まったのを機に、スマートフォン(スマホ)のコード決済や電子マネーなどを使い始めたという人も多いはず。キャッシュレス化は今後も進み、現金以外の遺産の増加が予想される。こうした「デジタル遺産」については、パスワードなどのリストを作成し、自分に何かあった時、家族に分かるよう備えておきたい。 (砂本紅年)

 デジタル遺産は、インターネットを通じ、スマホやパソコンで管理運用していた故人の財産。中でもスマホは、「楽天ペイ」や「PayPay(ペイペイ)」などがある「コード決済」の広がりに伴い、財布代わりに使う人が増えている。

 スマホによるコード決済は主に、クレジットカードなどから引き落とされるタイプと、事前に入金(チャージ)した範囲で支払われるタイプに分かれる。

 チャージタイプは残高が資産となる。入金の上限額は数万円のものが多いが、百万円が上限のタイプもあり、残高によっては相続面でも無視できない。ただ、「ここが知りたい!デジタル遺品」の著書がある川崎市のライター古田雄介さん(42)=写真=によると、利用規約で原則、本人以外は使えないことを明記している場合が多い。遺族が申請すれば、払い戻しに応じてくれることもあるが、気づかなければ残高を失うことになる。

 インターネット上の取引が中心のネット銀行やネット証券なども、多くの取引がペーパーレス化しており、遺族が気づかない可能性がある。リスクの大きい外国為替証拠金取引(FX)や、暗号資産(仮想通貨)を家族に内緒で取引しているケースもある。

 また、スマホは他人が使えないようにパスワードなどを設定する「ロック」がされているケースが多い。デジタル遺産の最も多いトラブルが故人のロックを解除できないことだという。

 「端末のセキュリティーレベルは年々高くなっている」と古田さん。解除の相談に応じる専門業者もいるが、確実に解除できるとは限らず、数十万円の費用がかかる場合もあるという。

 トラブルを避けるため、古田さんはデジタル遺産をリスト化し、ロックを解除するためのパスワードのヒントなど必要な情報を紙に書き留めた上で、リストの存在を家族らに伝えておくことを勧める=図。

 リストには写真や動画、名簿や電話帳といったデータ類など、資産以外の「デジタル遺品」も必要に応じて追加する。リストは年一回は更新し、同時に、利用していない音楽配信など定額有料サービスなどの見直しも進めたい。

 スマホのロック解除法については、厚紙など透けない紙に記載。上から修正テープで見えないようにしておけば、必要な時、テープをはがして確認できる。

 ただ、故人のパスワードを使って遺族がアクセスすることは、問題はないのか。古田さんが百社以上のプロバイダーなどに取材したところ、遺族が故人のIDでログインした行為をとがめる会社はなかった。デジタル遺産に詳しい弁護士の伊勢田篤史さん(東京)も「遺族が故人のアカウントを一時的に使うレベルであれば、理解を得られるのではないか」と話している。

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◆困り事や体験談募集

 相続に関する困り事や体験談を募集します。メールseikatut@tokyo-np.co.jp、ファクス03(3595)6931。件名に「どうする相続」と記入を。

 

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