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【暮らし】

障害者手帳 カードやアプリに

西武新宿線中井駅の窓口で、スマートフォンアプリ「ミライロID」を提示する磯谷俊仁さん=東京都新宿区で

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 障害があると証明したり、各種割引を受けたりするのに必要な障害者手帳が変わりつつある。「紙製で破れやすく劣化しやすい」「外出先で取り出すのに手間取る」と不便さを感じる人が多く、国がカード型を認めたほか、手帳代わりに使えるスマートフォンのアプリも登場。持ち運びやすくすることで、当事者の外出を後押しする。

 知的障害者向けの療育手帳は以前からカード型が認められていたが、厚生労働省は四月から身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳でも“解禁”。自治体の判断で発行が可能になった。

■自治体の判断で発行

 山口県は二〇一五年度からプラスチック製カードの療育手帳を希望者に交付している。住所や障害の状態が変わった場合、追記できる紙の手帳と違って再発行が必要になるが、それでも約四割の人がカード型を選ぶという。

 ただ厚労省によると、十一月一日時点でカード型の導入は山口県の療育手帳だけ。大阪や兵庫、徳島など二府八県は合同会議を開きカード型発行の検討を決めたが、大阪府の担当者は「システム改修費が億単位になる可能性があり、国の支援が必要だ」と語る。

 また国では、交付率が一割強にとどまるマイナンバーカードを普及させるため障害者手帳と一体化させる構想もあり、自治体では様子見の動きが広がる。

 こうした中、施設のバリアフリー化などを手がけるコンサルティング会社「ミライロ」(大阪市)は、スマホアプリ「ミライロID」を開発、七月から提供を始めた。利用者が手帳を撮影した画像を、同社が偽造ではないかどうか精査し電子化。スマホを見せれば鉄道運賃や航空券の割引が受けられる仕組みだ。

スマートフォンアプリ「ミライロID」の見本(ミライロ提供)

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■スマホ提示なら簡単

 「スマホなら外出時に首からぶら下げている。取り出しに時間もかからない」。両脚の障害により車いすに乗る東京都八王子市の磯谷俊仁さん(34)は語る。「スマホ提示で済めば周りの目も気にならない」と、心理面での利点も指摘する。

 サッカーJリーグのガンバ大阪は二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックに向け、障害のある人が観戦しやすくしようと、本拠地での試合で同アプリでの割引を始めた。協力企業は十一月一日時点で、ガンバ大阪と西武鉄道、日本航空、全日本空輸、カラオケ店「ビッグエコー」を展開する第一興商など計十二社。

 自身も車いすに乗るミライロの垣内俊哉社長(30)は「障害者手帳の不便さに長年向き合い、ようやく電子化を実現できた。協力企業を増やし、障害者の外出機会を増やしていきたい」と話す。

<障害者手帳> 障害がある人に都道府県知事らが交付する手帳。大きさなど様式は自治体により異なる。2018年3月末時点で、身体障害者手帳は約510万人、精神障害者保健福祉手帳は約99万人、療育手帳は約108万人が取得。手帳があると、税金の減免や公共料金の割引などが受けられる。民間企業のサービスは事業者の判断で行われ、割引の内容はさまざま。

 

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