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【暮らし】

着やすく、おしゃれに ユニバーサルファッション

腕などが動かしにくい人が着やすいようにと、袖と脇部分がファスナーで開閉できるジャケット

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 高齢になると、体が動かしにくくなったり、背中が曲がったりして体形が変わり、着る服に悩む人も多いのでは。そうした高齢者がおしゃれを楽しめるように、両袖をファスナーで開閉して着やすいジャケットや、腰が曲がってもずり落ちないように作られたズボンなどが販売されている。「ユニバーサルファッション」とも呼ばれ、業界も力を入れ始めている。 (細川暁子)

 赤いボタンがおしゃれなカシミア混の黒いジャケット。正面から見ると気付かないが、内側の袖口から脇にかけてファスナーで開閉できるため、肩が上がらなくても袖に腕を楽に通すことができる。

 作ったのは、愛知県東郷町のアパレルメーカー「名美アパレル」の社長兼デザイナー、前野いずみさん(50)。二〇〇八年に高齢女性向けブランド「キアレッタ」を立ち上げ、ネット通販している。一着三万八千五百円で、三十着以上を販売。結婚式など、「お出かけ用」に購入する高齢者やその子どもが多いという。

 きっかけは、前野さんの母親が五十肩で腕が回しにくくなり、シャツやジャケットを着られずに困っていたこと。「同じような悩みを持つ高齢者は多いのでは」と思い、考案した。目が悪い人もボタンを通しやすいようにと、あえて生地とは色を変えた。

両サイドがファスナーで開くズボン

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 ほかにも車いすに座ったままはけるように両側面が開閉するズボンなど、高齢者が着やすく、脱ぎやすいさまざまな服を販売。おしゃれに着こなせることを重視し、母や高齢の知人らの話を聞いてデザインした。

 前野さんは「少しの工夫で、いくつになってもおしゃれは楽しめる」と話す。

背中が出ないよう工夫して作られた「腰曲がりズボン」(ファッションパークカヤマ提供)

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 長野市の衣料品店「ファッションパークカヤマ」は、腰が曲がった高齢者向けに、その名も「腰曲がりズボン」を販売。店舗のほか、「シニアファッションG(じぃじ)&B(ばぁば)」のブランド名でネット通販し、好評だ。

 腰が曲がったお年寄りはズボンがずり落ちやすくなる。また、背中が見えやすくなるのが悩みの種。腰曲がりズボンは、ウエスト部分がゴムになっていて脱ぎ着しやすく、ゴムは入れ替えもできる。後ろの腰部分が前よりも約十センチ長く作られているため、はいたときに、背中が出ない。

 悩むお年寄りたちの声を受け、香山篤美社長(71)が一一年から販売を開始。一着約三千〜四千円で、男女用と各サイズがそろう。肌着もあり、五十〜六十代の子どもが、親を車に乗せて関東から買いに来ることもあるという。

 高齢者向けの衣料通販会社「ケアファッション」(大阪市)が一六年に五十〜七十九歳の男女五百人に実施したインターネット調査によると、「いつまでもファッションを楽しみたい」と思っている人は約74%に上る。一方、体形の変化で服を着られないと答えた人も八割を超えた。

 同社の担当者は「おしゃれはお出かけの動機になるなど、前向きな気持ちにさせてくれる。体形であきらめずに、着やすい服を探してみて」と話す。

 

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