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【暮らし】

<環境視点>ごみ出し工夫、海守る

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 収集に出したごみ袋をカラスなどに荒らされ、歯がゆい思いをしたことがある人は少なくないだろう。街の美観を損ね、衛生上も良くないだけでなく、散らばったごみの一部は雨や風で運ばれて海に流れ着き、プラスチックによる海洋汚染にもつながる。うっかり汚染の原因をつくってしまわないよう、ごみの出し方にはあらためて気を付けたい。 (河郷丈史)

◆散乱、風で移動

 昨年五月に策定された国の海洋プラスチックごみ対策のアクションプランによると、海洋プラスチックごみは世界で年間数百万トン超、日本からは二万〜六万トンが流出していると推計。陸地で発生したプラスチックごみの一部が雨や風で運ばれ、河川などを経由して海に流れているとしている。

 海洋ごみ問題の調査や啓発活動に取り組む一般社団法人「JEAN」(東京都国分寺市)によると、海岸には納豆のパックやマヨネーズのチューブなどポイ捨てによるものとは考えにくいごみもある。事務局長の小島あずささん(62)は「プラスチックは軽いので風や雨で簡単に移動する。カラスによるものも含め、街で散らかったごみの一部は海に行っている」と話す。

◆カラス対策を

 ごみを荒らされないためにはどうすればいいか。まずは、カラスの習性を理解する必要がある。

 日本野鳥の会(事務局・東京都品川区)会長で、日本鳥学会元会長の上田恵介さん(69)によると、日本で見かけるカラスはハシブトガラス、ハシボソガラスの二種類で、東京などの都市部はハシブト、農村部はハシボソが多い。いずれも雑食性で、餌を求めて人間が出したごみを荒らすことがある。嗅覚はあまり鋭くないが視力に優れ、餌がありそうな場所を目で探す。

 このため、生ごみが外から見えないよう、新聞紙などにくるんで捨てるのがいい。カラスの目には人間が見ることができない紫外線が見えるが、大好物の肉の脂身は紫外線を反射して目立つため、「脂が染み込んだ生ごみがあると、すぐに見つけてしまう」。かすも残らないよう、きれいに洗ってから捨てよう。

 生ごみをうまく隠しても、袋を破り、荒らすことがある。収集所では、ごみ袋にネットを掛けて防ぐのが効果的だ。

 環境省が自治体向けに作成した対策マニュアルによると、ネットの目が大きすぎるとカラスのくちばしが入ってしまうので、目が五ミリ以下の細かいものが有効。風であおられたり、カラスにめくられたりしないよう、縁に重りがあるものを使ったり、石などを置いたりする。ごみがはみ出さないよう、排出量に合ったサイズのネットを選ぶ。

 カラスは夜明け前から活動する。朝に収集されるごみを前夜に出すと、狙われやすくなる。カラスの知能は人間の三歳の子どもと同じぐらいとされる。記憶能力が高く、一度、うまく餌にありつけた収集所は再び狙ってくる可能性もあり、対策を継続することが肝心だ。

 日本では、期限切れなどの食材の廃棄や食べ残しなどの「食品ロス」が年間で六百万トン以上出ている。上田さんは「労力に見合う餌がなければ、カラスも来ない。生ごみを減らすライフスタイルを心掛けることが大事」と話す。

ごみ袋を荒らすカラス(名古屋市提供)

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◆ごみを出す時の注意

・生ごみをあまり出さない

・生ごみは新聞紙などでくるんで隠す

・プラスチック容器などはきれいに洗ってから出す

・ごみ袋にネットを隙間ができないように掛ける

・収集日や時間帯を守って出す

※上田さんへの取材や環境省の対策マニュアルをもとに作成

 

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