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【暮らし】

「子ども用車いす」知って ベビーカーと誤解 つらい思い

「子ども用車いすを知ってほしい」と話す榎本圭那さん(右端)ら=愛知県尾張旭市で

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 病気や障害のある子が使う「子ども用車いす」。車いすと聞くと、使う人が自分で車輪を回して進む姿を連想しがちだが、介助する人が後ろから押して動かすバギー型も少なくない。幼い子どもがバギー型に乗っていると、見た目はベビーカーそっくり。街中などで周りの人に誤解され、つらい思いをする利用者も多いようだ。 (平井一敏)

◆畳むのが大変

 バギー型の車いすを使っている子どもの多くは、体全体が不自由で、自力で立ったり座ったりすることができない。子どもの姿勢を安定させ、さらに人工呼吸器などの医療機器を積んで移動できるよう車体は頑丈にできており、重さは十キロ以上。ベビーカーのように簡単に折り畳むことはできず、畳んだとしても介助者が子どもの体を支えることは難しい。

 「ベビーカーを畳んで」。愛知県瀬戸市の戸高美陽子さん(38)は数年前、バギー型車いすを使う長女とバスに乗ろうとした際、勘違いをした運転手に言われ、乗車をあきらめたことがあったという。現在九歳になる長女は、先天性の難病で肢体不自由だ。病院などの障害者用駐車場に車を止めた時に、車いすをベビーカーと思った警備員らからとがめられたことも。「ひと言ひと言がぐさっときた」と振り返る。

子ども用車いすを説明する藤井基弘さん=愛知県小牧市の松本義肢製作所で

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 国内外の子ども用車いす約十種類を扱う松本義肢製作所(同県小牧市)の義肢装具士、藤井基弘さん(51)によると、車いすは医師の指示をもとに、子どもの状態に合わせて既製品をアレンジして提供している。値段は一台二十万〜三十万円で、障害者手帳を取得すれば購入にかかる負担は一割で済む。義肢装具大手の同社では、年間約四百台を販売しているが、最近はカラフルでおしゃれなデザインが増えたことなどから、いっそうベビーカーと判別しにくくなっているという。

 低い認知度に苦しむ保護者たちの声を受け、国土交通省は二〇一八年四月、子ども用車いすの利用者に配慮するよう全国の公共交通関係団体に呼び掛けた。車いすの写真などを示した啓発ポスターを四万二千枚作り、昨年九月から各鉄道、バス会社などに配布。名古屋市交通局は市営地下鉄の八十五駅に掲示したほか、乗務員には利用者の乗車を妨げないよう指導している。

 長女(4つ)が難治性てんかんで、一年前からバギー型車いすを使う同県尾張旭市の榎本圭那さん(30)は「最近はバスの運転手に車いすだと伝えれば、スロープを出してもらえる」と認知の広がりを喜ぶ。一方で、一般の人たちへの浸透はまだまだ。今も物珍しそうに娘を見る目を感じるという。

 榎本さんは、夫の真一さん(35)と車いすに表示するマークを考案。ラミネート加工した十センチ四方のマークを昨年四月から希望者に無料で配っている。これまでに百枚以上を配布した。同様のマークは一般社団法人「mina family(ミナファミリー)」(大阪市)など他の団体も作製し、周知を図っている。

 国によると、肢体が不自由な十八歳未満の子は約七万七千人。車いすは、これがないと移動ができない子どもたちが使っている。体の不自由な子どものママサークルあっぷるの代表も務める戸高さんは「子ども用車いすのことを知ってもらうだけでなく、互いを思いやる気持ちも広がれば」と願う。

バギーマーク(NPO法人ソルウェイズ)

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介助用車いすマーク(榎本さん夫妻作製)

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こども車いすマーク(ミナファミリー)

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