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【暮らし】

<食卓ものがたり>国産の一大産地、奮闘 キクラゲ(岐阜県郡上市)

乾燥キクラゲを手にする井上九州男会長=岐阜県郡上市で

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 コリコリとした食感が味の濃い中華料理によく合うキノコの一種、キクラゲ。一大産地があると聞き、岐阜県の山あいにある旧和良(わら)村(現郡上市)を訪ねた。東京ドーム一・五個分の広さを誇る約七万平方メートルの農場では、季節によってキクラゲやシイタケ、エリンギ、ヒラタケなど多彩なキノコ類を生産している。二五度前後の温度を好むキクラゲの栽培は七〜十一月。天日で乾燥させ、一年を通じて出荷している。

 「国産キクラゲって珍しいでしょ?」。農場を経営するハルカインターナショナルの井上九州男(くすお)会長(71)は誇らしげだ。同社が本格的に生産を始めたのは四年前。国産野菜の使用にこだわる長崎ちゃんぽんの大手チェーンと取引が始まったのがきっかけだ。当時、国内に出回るキクラゲは中国などからの輸入ものが99・5%を占めていた。同社は生産量を年々増やし、二〇一八年は生の状態に換算して過去最多の約三百トンだった。

 同社の栽培方法は、いわば「自然再現型」だ。キクラゲは、おがくずを固めた菌床に種となる菌を植え付けて育てるが、他の業者のように冷暖房は使わない。パイプで造った骨組みに防水シートや遮光シートをかぶせるだけ。夏場はハウス内の温度が四〇度まで上がる日もあるが、覆いに水を掛けたり、扉を開閉したりして調節している。

 「もともとキノコは自然に生える。その状態を再現すればいい」と井上会長。菌床に植える種菌も自前の研究所で培養している。こうした技術が評価され、農薬や化学肥料を使っていない食物であることを示す有機JAS認証を取得した。

 キクラゲは骨を強くするビタミンDや食物繊維、鉄分、カルシウムが豊富。「無味無臭で鍋やみそ汁など何にでも使える」と野村克之社長(62)。「子どもや妊婦ら誰にでも勧められます」

 文・写真 長田真由美

◆買う

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 ハルカインターナショナルの販売は主に外食産業向け。ただ、今後は小売りにも力を入れる予定で、今春からは東海地区の主要スーパーで買えるように。ネット通販のサイト「BASE」でも販売しており=写真、60グラム入りの乾燥キクラゲは2パックで5000円。色素を抜いた白色キクラゲや乾燥シイタケを入れたセットもある。乾燥キクラゲは半日ほど水で戻すと重量が12〜13倍に増える。乾燥60グラムの場合、戻せば約800グラムに。サイトは「BASE 有機JASきのこ直売店」で検索。(問)同社=電0575(77)4077

 

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