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【暮らし】

40代にかけて月経周期短く 日本人32万人ビッグデータ解析

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 女性の健康のバロメーターとされる月経(生理)の周期。日本人の平均値が20代後半から40代前半にかけ、約3日短くなることが32万人のビッグデータ解析で明らかになった。正常な周期は「25〜38日」と定義されているが、これまで年代別の数値はなかった。産婦人科などの現場で、年齢を踏まえたきめ細かい判断や対応につながることが期待される。 (小中寿美)

 月経周期とは、月経の初日から次の月経の前日までの期間のこと。この間にホルモンバランスが変化して排卵が起きる。自分の周期を把握していれば、月経の三〜十日前に腹痛やいら立ちといった多様な症状が出る月経前症候群(PMS)に備えたり、妊娠や避妊に役立てたりできる。

 四十代に入ると、月経周期が短くなったと実感する女性は少なくない。記者(43)も経験済みだし、同僚の中には予想外の出血に驚き婦人科に駆け込んだ人も。「異常があるのではと不安になって受診する女性は多い」と東京大産婦人科准教授の甲賀かをりさん(49)。現場の医師らは、四十代にかけて月経周期が短くなる傾向を経験から分かっていたというが、解析結果はそれを裏付けた形だ。

 研究は、国立成育医療研究センター(東京)と女性の健康管理アプリ「ルナルナ」を運営するエムティーアイ(同)が行い、一月下旬に結果を発表した。ルナルナは、月経が始まった日を入力すると、次の月経開始日や排卵日を自動で予測する。二〇〇〇年にサービスを開始し、インストール数は延べ千四百万にも。研究では一六〜一七年の間、継続して入力していた利用者を抽出。約六百万周期と世界でも例のない大規模なデータを使い、年齢や季節の影響、居住地との関係を調べた。

 周期が最も長いのは二十五歳ごろとみられ、五歳区切りの平均値では二十五〜二十九歳は三〇・三日。次第に短くなり、四十〜四十四歳、四十五〜四十九歳は二七・四日と約三日短くなることが分かった。一方で、閉経が近づく五十〜五十四歳は二九・三日と再び長くなった。また、初潮から年数が浅い十代後半では、正常周期とされる「二十五〜三十八日」の範囲外となる女性が二割を超えた。季節と居住地の影響はほとんどなかった。

 日本産科婦人科学会が定義する正常周期は、一九六二年に報告された日本人七百一人を対象にした調査結果などが基になっている。国立成育医療研究センター分子内分泌研究部の鳴海覚志室長(43)は「生活が大きく変わった現代にもこのデータが当てはまるのか疑問だった」と話す。世界で使われる医師向けの教科書も、五〇年代の米国のデータを根拠に「十代は不規則」「四十五歳以上は長くなる」などの概略しか載せていない。

 甲賀さんは、加齢による卵巣機能の低下を、周期が短くなる理由と推測する。年代ごとの周期の変化が初めて可視化されたことは、医療者にとっても心強い。「年齢を考えれば問題がないのに、周期の短縮を心配する患者に根拠を持って『大丈夫』と言える」と評価。将来的には、妊娠、避妊を望む女性への指導に活用できるのではと期待する。

 同センターと同社は、仕事や家事・育児のストレスが月経不順や不妊に影響するかどうかも研究予定で参加者を募集中。妊娠を望む人は二十五日まで、避妊希望の人は二十五日〜三月二十五日、ルナルナの「お知らせ」から登録。それぞれ一万人を目指す。

女性の健康管理アプリ「ルナルナ」(避妊希望モード)の画面

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