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【暮らし】

がん保険 古い契約確認を 入院短期化 保障、外れる場合も

給付金の条件が「継続20日以上の入院」などとなっている場合も(一部画像処理)

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 日本人の二人に一人が、がんになる時代。がん保険に入っている人も多いだろう。だが、がんの入院が短期化し、通院治療が増える一方、古い保障内容のままで通院のための給付が対象外になるケースも。過去に契約したがん保険は入りっぱなしにせず、現状に合っているかや必要性を確認してみよう。 (細川暁子)

 「夫ががんになり、初めて契約していたがん保険を調べた」。愛知県内の女性(70)は話す。

 女性の夫(70)は昨年三月に体調を崩し、腹水を抜くために十一日間入院。生体検査の結果、四月に進行がんと診断され、抗がん剤治療などで四、五月に計十二日間入院した。

 夫は三十代半ばにがん保険に加入。がんと診断されるともらえる「診断給付金」百万円、入院一日につき一万五千円の「入院給付金」二十三日分の計百三十四万五千円が支払われた。

 その後、週一回ほど通院し、毎月タクシー代だけで二万円がかかった。保険の保障には退院後の「在宅療養給付金」(二十万円)や「通院給付金」(一日五千円)もあった。だが、二十日以上の継続入院が条件で、対象外となった。

 支払ってきた保険料は計百五十万円ほど。女性は「一時金は助かったが、通院費が出ないのは予想外」。

 保険会社によると、この保険は二〇〇四年に新規申し込みの受け付けを停止。がんの入院日数が短期化していることが一因という。

 厚生労働省の調査によると、がん患者の平均入院日数は一九九六年が四十六日だったが、二〇一七年には約十七日に。部位別でも胃がんが約四十七日から約十九日、肺がんなどは約五十日から約十六日、結腸・直腸がんは四十日から約十六日といずれも大きく減っている=グラフ参照。

 医療の変化に合わせ、保険会社は保障内容を変えており、ホームページなどを通じて見直しをPR。ただ、漫然と加入し、がんに直面して初めて内容を知る人も少なくない。

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◆公的保険も念頭に

 がん保険に詳しい東京都のファイナンシャルプランナー一色徹太さん(53)によると、以前は入院保障が重視されていたが、通院治療が増えた現状とずれているものもあり「入りっぱなしの人は放置せず、少なくとも十五〜二十年以上前の保険は一度約款(契約内容)を確認してみて」と話す。

 一色さんによると、通院時の保障が手厚いタイプや抗がん剤やホルモン剤、放射線など治療法に合わせて給付金が出るタイプも多く登場。注意点として、進行がんと、がんが上皮の中にとどまっている「上皮内新生物」では給付内容が異なる商品が多く、後者だと給付のないものもある。

 また、一色さんは「公的保険の保障もあり、不足分を民間保険で補うのが基本」と指摘する。

 一つが公的医療保険の高額療養費制度。医療費が高額になった場合に、年齢や所得に応じて一定額以下に自己負担額を抑えられる。

 例えば、七十歳未満の給与所得者(年収約三百七十万〜約七百七十万円)で、一カ月の医療費に百万円かかった場合、自己負担分は三割の三十万円。このうち二十一万二千五百七十円が高額療養費として支給されるため実際の負担は八万七千四百三十円で済む。ただ、支給されるのは公的医療保険の対象の費用。先進医療や差額ベッド代、通院の交通費などは含まれない。

 一色さんは「なんとなくがん保険に入るのは禁物。本当に必要かをよく吟味して」と話す。

 

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