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【暮らし】

<ねぇねぇちょっと 特別編>家事せぬ夫との老後心配 適度な距離感 互いを尊重

 毎週土曜日掲載で、読者の悩みに読者が答える「ねえねえちょっと」。1月25日に、定年間近の夫がいる愛知県の女性(65)の「家事せぬ夫との老後心配」という相談を紹介したところ、同様の体験談やアドバイスが約20件寄せられた。一緒の時間が長くなる定年後の夫婦には、「適度な距離感」が重要なようだ。 (細川暁子)

 「家事は一切手を出さず、休みの日はリビングのソファに座ってテレビを独占。『亭主元気で留守がいい』は本当にその通り」。夫の定年まであと一年という静岡の女性(64)は「夫は年々頑固になるし、今さら変わるとは思えません」と不安を打ち明ける。

 定年は夫婦にとって危機だと考える人は多いようだ。明治安田総合研究所が二〇一八年に四十〜六十四歳の男女一万二千人に行った「人生100年時代の結婚に関する意識と実態」調査では、子どもがいる既婚男性の19・6%、女性の28・1%が「定年を機に離婚しようと考えたことがある」と回答。理由は男性が「愛情を感じられない・愛情を感じないから」が37・6%で最も多かった。一方、女性は「定年退職後に毎日、配偶者と家で一緒に生活するのは耐えられないから」が45・1%で最多だ。

 愛知の女性(63)は、「中高年女性の話題はいつも、定年後に家にいる夫の愚痴ばかり」。通っているスポーツクラブには昼食持参で、朝から夕方までいる男性がいるといい、「あの人、きっと奥さんに『どっかに行ってきて』と言われているんだろうな」と推測。夫がサークル活動などで居場所をつくることが大事だと指摘する。

 「夫婦には、それぞれの部屋があり、お互いに干渉はしません」。昨年、夫が定年退職した愛知の女性(58)は言う。洗濯や部屋の掃除は各自で行い、食事も自分の分は、自分で作る。「まるでシェアハウスのようだけど、あと二十年以上一緒に暮らすので、いつも一緒だと気疲れする。ほどよい距離感が大事」

 岐阜の女性(56)は「昔は、私が仕事から帰ってきても夫はテレビの前で夕飯を待つだけで私はイライラするばかりだった」と振り返る。だが女性が「一緒に料理をしよう」と夫を誘い、ジャガイモの皮のむき方から教えたところ、カレーを作れるようになった。「すごいね。助かった」などほめることが大事だという。

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◆「夫源病」定年後に訴え増

 循環器科の専門医で、「妻の病気の9割は夫がつくる」(マキノ出版)などの著書がある石蔵文信さん(64)は、夫の言動に対する不満などから、妻が心身に不調をきたすことを「夫源(ふげん)病」と呼ぶ。特に、夫の定年後に動悸(どうき)やめまい、頭痛、不眠などを訴える女性が多いという。

 石蔵さんによると、「家族を養ってきたのは自分だ」という自負が強かったり、仕事関係以外の交友や趣味がなかったりする夫は要注意。お互い不満はため込まず、素直に気持ちをぶつけた方がいい。「口げんかは、立派なコミュニケーション」

 妻の大きなストレスのひとつが、毎日の夫の昼食づくりだ。石蔵さんは男性向けの料理教室を全国で開催。やきとりの缶詰を使った親子丼など、簡単な昼食を夫が作ることを提案している。「お互い、いつか一人になるかもしれない。自立できるようにしておくことは家庭のリスク管理」だと指摘。「定年は夫婦関係を見直し、お互いにストレスとならない快適な関係をつくるチャンスでもある」と呼び掛ける。

 

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