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【暮らし】

<家族のこと話そう>パワフルな母の導き タレント・小林よしひささん

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 父と母は共働きで、会社員の父はおとなしい性格。パート勤めの母がパワフルな人で姉二人と僕を厳しくしつける担当でした。母から学んだことの一つが料理。子どものころ、母は夕方、帰る前に家に電話をかけて姉たちに「お米をといで」「タマネギをみじん切りにして」と夕食の下ごしらえを指示していました。

 見ていた僕は自分から「僕にも何かやらせて」と言ったそうです。母の隣に立ち、タマネギをあめ色になるまで炒めたり、スーパーで「キャベツは重ためがいい」と新鮮な野菜の選び方を教わったりしました。

 スポーツが好きなのは剣道とバスケットボールをやっていた父の影響ですが、今の仕事につながる大きなきっかけを与えてくれたのは母でした。幼稚園児の時、ある土曜の夜に母は僕をテレビの前に座らせ、「映画を見せるから」と。始まったのはジャッキー・チェンさん主演のカンフーアクション映画「スパルタンX」でした。

 さらわれた人を助けるため主人公が闘う話で、「体を動かすのは格好いい」と発見した気分に。父に似ておとなしい性格でしたが、体を動かすことは好きで、社宅の芝生に転がって遊んでいました。その姿を見て、母はこの映画を気に入ると思ったようです。その後、外での遊びは漫画の影響で忍者の修業ごっこに変わり、小学生になると、休日は家族と野外のアスレチックに出掛けました。

 地域で開かれていた体操の教室にも通い、五年生から剣道を始めました。最初は基礎を身に付けるため、すり足の練習ばかり。冬は寒いし、逃げ出したいと思ったことも。送り迎えをする父は何も言いませんでしたが、母に「続けなさい」「ちゃんと行きなさい」と言われ、続けるうちに楽しめるようになりました。

 大学の助手時代、「体操のお兄さん」のオーディションに学生の引率でついていくだけの予定だったのですが、教授に「君も」と勧められ、受けることに。選ばれたと連絡が来た時は驚きました。母も驚いた様子でしたが、「頑張ってね」と背中を押してくれました。番組の公演には家族で来てくれています。

 二〇一六年に結婚し、一八年十二月に初めての娘が生まれました。もともと子どもは好きでしたが、娘がとにかくかわいくて。共演する子どもたち一人一人が、大切にされている宝物だと分かり、父親になって務めた最後の一年は特別な期間になりました。

 娘もスポーツが得意かもしれません。跳ぶ力や握力が強いからです。人とは違う何かをつかみ取り、自分で選んだ道を歩んでほしいですね。

 聞き手・小中寿美/写真・坂本亜由理

<こばやし・よしひさ> 1981年、埼玉県生まれ。2004年に日本体育大を卒業。同大助手を経て05〜19年、NHK・Eテレ「おかあさんといっしょ」の第11代「体操のお兄さん」を最長の14年務めた。テレビで活躍するほか、ユーチューブの「よしお兄さんとあそぼう!」で動画を配信中。

 

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