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【暮らし】

<食卓ものがたり>究極の粘り 日本一の黄金色 納豆(愛知県大府市)

「納豆菌が元気だから粘りが強い」と話す高丸喜文さん=愛知県大府市で

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 黄金色に照る大きめの大豆。箸でかき混ぜるほど粘りが増す。二月に熊本市であった全国納豆鑑評会で、三年連続の最優秀賞に輝いた高丸食品(愛知県大府市)の「国産中粒納豆」だ。「粘りは納豆菌が元気な証し」。長く糸を引く納豆を箸で持ち上げながら、二代目社長の高丸喜文さん(48)が笑う。ほくほく、軟らかな食感。かむたび、ほのかな甘みが口の中に広がる。

 大豆は納豆菌のエネルギー源となる糖質が高い北海道産を使用。高丸さんが全国の産地を回って選んだ。「生産者の顔、思いも知っているから、絶対おいしい納豆にしなきゃいけないと気持ちが高まる」。添付たれの原材料も全て国産。うま味調味料は一切使わず、素材本来の味を生かす。

 こだわりは製法にも。豆を地元の天然地下水に半日ほど浸したら、圧力釜で蒸し上げる。熱々のうちに納豆菌液をかけ、容器に小分けして発酵室へ。いったん帰宅後、菌の活動が活発になる深夜に工場に戻り、豆の状態を目で見て室温を調整するのが日課だ。「納豆と顔を合わせて会話する。どこまで面倒を見てやれるかが鍵」

 かつては輸入大豆で納豆を作り、大手メーカーとの安売り競争に明け暮れた。転機は二十年ほど前。知人を介して出会った豆腐店の社長に誘われ、岩手県の大豆産地を訪ねた。「農家の情熱やひたむきさに触れ、自分が情けなくなった」。食べた人が感動するような納豆を志し、国産大豆に絞って原料選びや製法の試行錯誤を重ねてきた。

 来年の鑑評会は愛知県で開かれる。地元産の大豆を使った納豆で四連覇を飾ることが目標だ。北海道産と比べると糖質が低く、硬い納豆になるため「なかなか難しい」と話すが、「地元の農家の励みになるように克服したい。古里への恩返しにもなれば」。

 文・写真 平井一敏

◆味わう

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 国産中粒納豆は50グラム入り3個で238円。愛知県内のスーパーや通信販売で購入できる。同社は他に愛知県産フクユタカを使った納豆や黒豆大豆で作った黒い納豆なども製造している=写真。

 納豆をおいしく食べるには、冷蔵庫から出して30分ほど常温に置き、かき混ぜてからたれを加えるといい。ふっくらした食感になるという。「ご飯に合う」と高丸さんが勧めるのは、すったトロロイモと混ぜた「ダブルねばねば」。食パンに納豆ときざみネギ、ピザ用チーズをのせて焼く「納豆トースト」も「香ばしくて朝食にぴったり」。問い合わせは高丸食品=電0562(46)5025。

 

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