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【暮らし】

キャッシュレス社会、進行中 対応経費を節約 新貨幣発行で加速も

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 電子マネーやスマートフォン(スマホ)決済など現金を使わないキャッシュレス決済。消費税増税に伴うポイント還元を機に一気に広まった。ただ、「安全性が不安」「よく分からない」と踏み切れない人もいるのでは。キャッシュレス生活の「初めの一歩」について、経営コンサルタントの美崎栄一郎さん(48)に聞いた。 (砂本紅年)

 「キャッシュレス生活、1年やってみた」(祥伝社)の著書がある美崎さんが勧めるのは、ICカード乗車券でなじみのある交通系の電子マネーの活用。鉄道会社などが発行するカードに駅の端末などで金額をあらかじめ入金しておくタイプが基本で、運賃のほか、提携店で日常の買い物に利用できる。

◆交通系電子マネー クレカでポイント

 系列のクレジットカード(クレカ)を決済用に作ってつなげ(ひも付け)、残額が設定金額以下になると、自動入金させることができるものも。JR東日本の「Suica(スイカ)」なら系列の「ビューカード」、名古屋市交通局の「manaca(マナカ)」なら「ウィローカード」をひも付ける。

 キャッシュレスの大きなメリットの一つが、使用額などに応じて還元される独自のポイント。電子マネーに加え、ひも付けしたクレカなどのポイントもつくことが多い。利用する鉄道会社のホームページなどで確認しよう。

◆多彩なコード決済 タッチ決済は楽々

 スマホ一つで支払いができる「スマホ決済」も利用が広がる。代表的なものが、レジの端末やスマホに表示されたQRコード、バーコードを読み取る「コード決済」。専用アプリをスマホにダウンロードして登録し、ひも付けた銀行口座などから入金する。利用履歴がスマホに残るので、家計管理にも使える。

 運営会社によって「ペイペイ」「楽天ペイ」「d払い」など複数ある。使える店の範囲や還元ポイントなど、それぞれに特徴があり、自分の生活に合ったものを選ぼう。

 支払時に手間がかからないのが、レジの読み取り機(リーダー)にカードやスマホをかざしたり触れたりするだけでいい「タッチ決済」だ。電子マネーではスイカなどの交通系をはじめ、「WAON(ワオン)」や楽天の「楽天Edy(エディ)」などの流通系、NTTドコモの「iD」などが導入。VISAやマスターなどクレカも移行が進み、対応店舗も増えている。

◆パスワード管理し、定期的に明細確認

 便利な一方、キャッシュレス決済で最も注意したいのが、他人によるなりすまし。特にスマホ決済の場合は本人確認のためのパスワードの使い回しや、無料のパスワード管理アプリの使用は避ける。本人しか照合できない顔や指紋による生体認証の設定など、セキュリティー対策をしっかり講じたい。アプリなどの明細で、覚えのない支払いがないか定期的に確認するのも大切だ。

 シニア女性誌を発行する「ハルメク」の昨年九月の調査によると、五十五〜七十九歳の女性三百二十一人のうち、キャッシュレス決済の利用経験率は九割以上。電子マネーやクレカは大半が利用経験がある一方、QRコード決済の経験者は約三割だった。

 また経験者の半数以上が積極的に利用していない。「種類が多く、どれが得か分からない」「管理しきれない」との声も。情報量の多さやスマホ操作に混乱している様子がうかがえた。

 美崎さんは、新紙幣と新硬貨が発行される二〇二四年度をめどに、企業がコスト削減のために、キャッシュレスに対応できる機器の導入を増やすと予測。銀行も窓口を減らし、スマホやパソコンで明細を確認する方式へ変更を促すなど合理化を進めている。

 美崎さんは「近い将来、現金払いが不便な世の中になる。キャッシュレス決済には慣れておいたほうがいい」と話す。

美崎栄一郎さん

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